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1998 年度 実績報告書

ATトラクトを認識する核マトリックス蛋白質のDNA結合機構

研究課題

研究課題/領域番号 09680592
研究機関岡山大学

研究代表者

筒井 研  岡山大学, 医学部, 助教授 (70108158)

キーワードDNA結合タンパク質 / 核マトリックス / 核骨格 / MAR / SAR
研究概要

1. MAR結合タンパク質SP120の認識配列を明らかにするため,付着端が異なる22種類のユニット・オリゴマー(26塩基長で2つのATトラクトを含む)を組み合わせて36種類のオリゴ・コンカテマー(hexamer)を合成し,それぞれの精製SP120に対する結合親和性をフィルター結合法により比較した.しかし,期待したほどの結合活性の差は検出されず,結合活性と厳密な相関をもつATトラクトの配置パターン(バーコード)を特定することはできなかった.現在,SP120のDNA結合領域をもつGST融合タンパク質を調製し,新たな結合測定法を用いて解析をやり直している.
2. SP120と同様の機構でMARを認識すると思われるDNAトポイソメラーゼII(トポII)に関する研究を開始した.まず,トポIIアイソフォームβがin vivoで直接作用しているゲノム領域をクローン化する技術を開発し,この酵素の主要なターゲットはATトラクトに富む領域であり,トポIIβによる切断点はMAR内部か,その近傍2-3kbの非コード領域内にあることを証明した.現在,切断点周辺のATトラクトの配置パターンに法則性が見いだされることを期待して,複数のターゲット・クローンの塩基配列と切断点の解析を行っている.
3. ATトラクトの間隔に注目して十数種類のMARの塩基配列を調べると,約120bpにわたって特定の間隔で現れる4つのATトラクト(Aトラクト2つとTトラクト2つ)からなるモチーフが頻繁に出現することがわかった.いくつかの塩基配列について,このモチーフをコンピュータで検索することにより,かなりの確度でMARを予測できることがわかった.上記のオリゴ・コンカテマーの一部にもこのモチーフが存在することから,バーコードモデルはMAR一般についても成立する可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tsutsui, K.: "Synthetic concatemers as artificial MAR importance of a particular configuration of short AT-tracts for protein recognition" Gene Therapy and Molecular Biology. 1. 581-590 (1998)

  • [文献書誌] Sarker, A. H.: "Cloning and characterizaton of a mouse homologue (mNthll) of Escherichia coli endonuclease III" J. Mol. Biol.282. 761-774 (1998)

  • [文献書誌] Imai, K.: "Genomic structure and sequence of a human homologue (NTHL1/NTH1) of Escherichia coli endonuclease III with those of the adjacent parts of TSC2 and SLC9A3R2 genes" Gene. 222. 287-295 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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