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1997 年度 実績報告書

無脊椎動物(カブトガニ)血球細胞のリポ多糖による脱顆粒機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09680597
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

牟田 達史  九州大学, 医学部, 講師 (60222337)

研究分担者 川畑 俊一郎  九州大学, 理学部, 助教授 (90183037)
キーワードリポ多糖 / 異物認識 / 体液凝固 / 脱顆粒 / カブトガニ / 情報伝達 / 受容体 / 生体防御
研究概要

FITCラベルしたLPSを用いたflow cytometryによる解析の結果、固定したカブトガニ血球細胞はLPS応答性の哺乳類細胞と比較して非常に強いLPS結合能をもつことが明らかになった。細胞表面への結合にはhemolymph plasma成分は要求されず、過剰量の無標識LPSによって拮抗が見られた。さらにprotease処理によって結合の減少がみられることから、血球細胞表面に、LPSを直接特異的に認識し、結合するタンパク質性因子の存在が示唆された。この因子のcloningのため、カブトガニ血球細胞のcDNAを哺乳動物細胞上で発現させ、flow cytometryを用いてexpression cloningを進めたが、これまで、偽陽性シグナルしか得られていない。この因子が複数の遺伝子産物によって構成されている場合、あるいは、カブトガニ血球細胞特異的な翻訳後修飾を受けている場合、この方法ではcloningは困難であると考えられる。現在、血球細胞膜に対してmonoclonal抗体を作成しつつあり、脱顆粒阻害能、あるいは亢進能を指標にこの因子に対する抗体をスクリーニングすることを計画している。
また、これと並行して、哺乳動物細胞との反応性を比較するため、monocyte、macrophageのLPS受容体と考えられるCD14の発現を試みている。現在までに、C末端の細胞膜へのanchorに関与するpeptide部分を除去した可溶性のCD14の酵母の一種であるPichia pastorisを用いた発現に成功し、精製を行った。精製CD14は、CD14を発現していない哺乳動物細胞に対し、LPS応答反応を仲介することが示され、生物活性を保持していることが明らかになった。現在、さらに生物活性を保持したより短い型のCD14、N型糖鎖の結合部位に変異を導入したCD14などの発現を試みつつある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takaki,Y.: "A Peptidyl-prolyl cis/trans Isomerase(Cyclophilin G)in Regulated Secretory Granules." J.Biol.Chem.272・45. 28615-28621 (1997)

  • [文献書誌] Bergner,A.: "Horseshoe Crab Coagulogen Is an Invertebrate Protein with a Nerve Growth Factor-like Domain." Biol.Chem.Hoppe Seyler. 378. 283-287 (1997)

  • [文献書誌] Iwanaga,S.: "New Types of Clotting Factors and Defense Molecules Found in Horseshoe Crab Hemolymph: Their Structures and Functions." J.Biochem.123・1. 1-15 (1998)

  • [文献書誌] Muta,T.: "Methods Mol.Biol.,Vol.78: Antibacterial Peptide Protocols" Humana Press Inc., 259 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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