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1998 年度 実績報告書

血管内皮細胞傷害時に発現する新規蛋白質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09680607
研究機関国立循環器病センター

研究代表者

宮田 敏行  国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室長 (90183970)

研究分担者 小亀 浩市  国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (40270730)
キーワードホモシステイン / 血管内皮細胞 / 小胞体 / 腎 / 尿細管 / 糸球体 / 内皮傷害 / 分子シャペロン
研究概要

高ホモシステイン血症は血管内皮細胞傷害を引き起こす。我々はホモシステインで血管内皮細胞が発現する遺伝子の変化を追跡した。その結果、小胞体の分子シャペロンであるBiPと新規遺伝子(RTPおよびHerpと命名)が発現上昇していることを同定した。BiPは小胞体内に立体構造不全蛋白質が蓄積すると転写上昇することが知られている。このことから、高ホモシステイン血症の原因は細胞内ホモシステイン濃度の上昇による立体構造不全蛋白質の小胞体内への蓄積と考えられた。そこで、ホモシステイン代謝酵素欠損マウスの組織を用いて、生体内で我々が同定した新規遺伝子の発現を調べたところ、残念ながらその発現は上昇していなかった。また重症高ホモシステイン血症を示す患者由来の繊雑芽細胞で調べても、我々の新規遺伝子の発現上昇は確認できなかった。次に、抗RTP抗体を作成し、マウスを用いてどの臓器にRTPが発現しているかを調べたところRTPはあまねく発現していたが、なかでも腎に高発現を認めた。そこで腎の組織染色を行ったところ、近位尿細管に発現していた。遠位尿細管や糸球体には発現していなかった。また各種臓器の組織染色から、小腸の微絨毛に強発現していることが判明した。しかし、ヒトの腎では発現しておらず、腎炎などのある種の腎臓の病態下で発現が観察された。培養細胞ではRTPは細胞質に認められるものの、生体組織では膜部分にも強い発現が観察された。RTPはリン酸化蛋白質であることを見い出しているので、今後リン酸化RTPを認識するRTP抗体を作成して解析する必要があると考えた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] N.Sato: "Lysophosphatidylcholine decreases the synthesis of tissue factor pathway inhibitor in human umbilical vein endothelial cells." Thromb.Haemost.79. 217-221 (1998)

  • [文献書誌] T.Miyata: "Factor X Nagoya 1 and Nogoya 2: A CRM-factor X deficiency and a dysfunctional CRM+ factor X deficiency characterized by substitution of Arg306 by Gly366 by Ser,respectively." Thromb.Haemost.79. 486-490 (1998)

  • [文献書誌] N.Sato: "Changes of gene expression by lysophosphatidylcholine in vascular endothelial cells: 12 up-regulated distinct genes including 5 cell growth-related,3 thrombosis-related,and 4 others." J.Biochem.123. 1119-1126 (1998)

  • [文献書誌] T.Miyata: "The prothrombin gene G20210A mutation is not found among Japanese patients with deep vein thrombosis and healthy individuals." Blood Coagl.Fibrinol.9. 451-452 (1998)

  • [文献書誌] T.Miyata: "C-399T polymorphism in the promoter region of human tissue factor pathway inhibitor (TFPI) gene does not change the plasma TFPI antigen level and does not cause venous thrombosis." Thromb.Haemost.80. 345-346 (1998)

  • [文献書誌] T.Miyata: "Genetic analysis of protein C deficiency in nineteen Japanese families:Five recurrent defects can explain half of the deficiencies." Thromb.Res.92. 181-187 (1998)

  • [文献書誌] 宮田敏行: "Annual Review 血液1998。" 中外医学社, 9 (1998)

  • [文献書誌] 宮田敏行: "「The Frontiers of Strokology,脳卒中学」" 医学書院, 16 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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