研究概要 |
1.筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseをアルギニン残基修飾試薬1,2-cyclohexanedione(CHD)を用いて修飾した。この修飾により、Piで酵素がリン酸化される反応(リン酸化中間体の加水分解の逆反応)が強く阻害された。Piで酵素がリン酸化される反応の遷移状態アナログ(Mg^<2+>とF^-のtightな結合及びMg^<2+>依存性Vi結合)によって、酵素はこの阻害から顕著に保護された。同時に、この遷移状態アナログによって、Arg-198がCHD修飾から特異的に保護された。この結果は、Arg-198が触媒部位かその近傍に位置していることを示している(Saino,T.,Daiho,T.,and Kanazawa,T.(1997)J.Biol.Chem.272,21142-21150)。 2.筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseをヒスチジン残基修飾試薬diethyl pyrocarbonate(DEPC)を用いて修飾した。この修飾により、Piで酵素がリン酸化される反応が強く阻害された。Piで酵素がリン酸化される反応の遷移状態アナログ(Mg^<2+>とF^-のtightな結合及びMg^<2+>依存性Vi結合)によって、酵素はこの阻害から顕著に保護された。同時に、この遷移状態アナログによって、His-5がDEPC修飾から特異的に保護された。この結果は、His-5が触媒部位かその近傍に位置していることを示している(Yamasaki,K.,Daiho,T.,Saino,T.,and Kanazawa,T.(1997)J.Biol.Chem.272,30627-30636)。 3.現在、His-5とArg-198、及びその近傍のアミノ酸残基の機能を、部位特異的変異の導入によって調べている。
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