研究課題/領域番号 |
09680609
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
金沢 徹 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80028141)
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研究分担者 |
山崎 和生 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60241428)
大保 貴嗣 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90207267)
鈴木 裕 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (50183421)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | Ca^<2+>-ATPアーゼ / 部位特異的変異 / アルギニン残基 / リン酸化酵素 / 筋小胞体 |
研究概要 |
筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseのArg^<198>の機能的役割を部位特異的変異を用いて調べた。この部位特異的変異では、Arg^<198>がlysine、glutamine、glutamic acid,alanine、及びisoleucineで置換された。これらの変異体を発現させたCOS-1細胞から分離した小胞体膜を用いて速度論的解析を行った。Arg^<198>をlysineで置換した変異体のturnover速度は野生型のturnover速度とほとんど変わらなかったが、Arg^<198>をglutamine、alanine、及びisoleucineで置換した変異体では、turnover速度は野生型に比べて可成り減少し、Arg^<198>をglutamic acidで置換した変異体ではさらに著明に減少した。定常状態でK^+存在下でATPから作られるリン酸化酵素は、Arg^<198>をlysineで置換した変異体では、野生型と同じように、ほとんど完全にADP感受性であった。しかし、Arg^<198>をglutamineで置換した変異体では、ADP非感受性リン酸化酵素が可成り蓄積した。Arg^<198>をalanine及びisoleucineで置換した変異体では、ADP非感受性リン酸化酵素はさらに多く蓄積した。Arg^<198>をglutamic acidで置換した変異体では、ADP非感受性リン酸化酵素は最も多く蓄積した。初めにCa^<2+>-ATPaseを^<32>Piでリン酸化した後非放射性Piで希釈することにより、ADP非感受性リン酸化酵素の脱リン酸の速度を測定した。この速度は、Arg^<198>をglutamic acidで置換した変異体では、中程度に減少した。Arg^<198>をalanineで置換した変異体では、脱リン酸の速度はさらに大きく減少した。Arg^<198>をglutamic acidで置換した変異体では、脱リン酸の速度は最も大きく減少した。しかし、Arg^<198>をlysineで置換した変異体では、脱リン酸の速度はほとんど減少しなかった。これらの結果は、Arg^<198>の正電荷と高い親水性がADP非感受性リン酸化酵素の速い加水分解に重要な役割を果たしていることを示している。
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