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1997 年度 実績報告書

エンドセリン受容体を介する細胞内情報伝達の新しい調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09680613
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

木村 定雄  千葉大学, 医学部, 教授 (40134225)

研究分担者 諸井 佳代子  千葉大学, 医学部, 助手 (80110352)
西山 真理子  千葉大学, 医学部, 助手 (00092081)
キーワードエンドセリン / G蛋白質共役受容体キナーゼ / 脱感作 / エンドセリン受容体
研究概要

1.エンドセリンB受容体の脱感作機構の解明
エンドセリン(ET)の機能発現においてET受容体の脱感作は重要な役割をもつと考えられる。しかし、その脱感作機構に関しては未だ解明されていない。本年度は、ETB受容体の脱感作が受容体のリン酸化に依存しているかを検討した。リン酸化部位を含むC末端部を欠損した複数のETB受容体の発現細胞を用いて、次の結果を得た。(1)C末端部欠損型ETB発現細胞は、カルシウム応答において野生型ETBと同程度に脱感作された。(2)ET-1刺激された野生型ETBはリン酸化されたが、C末端部欠損型ETBはリン酸化されなかった。(3)ETBをリン酸化するキナーゼはPKCでなくGRK2であった。(4)C末端部欠損型ETBとGRK2あるいはドミナントネガティブGRK2を共発現させたところ、IP3の産生は共に抑制された。以上より、本研究はC末端部欠損型ETBの脱感作がリン酸化に依存しないことを示し、さらにリン酸化非依存性の脱感作機構の存在を明らかにしたものである。
2.ヒルシュスプルング病におけるETB受容体遺伝子の解析
本邦における散発性ヒルシュスプルング病とETB受容体遺伝子異常との関係を明らかにするため、SSCP法によりETB受容体遺伝子の塩基変異の検索を行い、さらに同定した変異受容体の機能解析を行った。その結果(1)31人の患者より3人の遺伝子点変異を明らかにした。(2)機能解析の結果、N1041変異は多型の可能性が高く、S390R変異は細胞内シグナル伝達機能の障害を起こし、また、C109R変異は細胞膜への輸送障害があり、その結果として細胞膜上の受容体減少による機能障害を引き起こすことが明らかになった。2種のETB受容体遺伝子変異を見出し、それぞれ異なった機序によりヒルシュスプルング病を引き起こすことを示したものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tanaka,H., Moroi,K., Nishiyama,M., Kimura,S.ら: "Novel mutations of the endothelin B receptor gene in patients with Hirschsprung disease and their characterization." J.Biol.Chem.印刷中. (1998)

  • [文献書誌] Yamamoto,T., Nozaki-Taguchi,N. and Kimura,S.: "Analgesic effect of intrathecally administered nociceptin,an opioid receptor-likel receptor agonist,in the rat formalin test." Neuroscience. 81. 249-254 (1997)

  • [文献書誌] Yamamoto,T., Nozaki-Taguchi,N. and Kimura,S.: "Effects of intrathecally administered nociceptin,an opioid receptor-likel(ORLI)receptor agonist,on the thermal hyperalgesia induced by carageenan injection into the rat paw." Brain Res.754. 329-332 (1997)

  • [文献書誌] Yamamoto,T., Nozaki-Taguchi,N. and Kimura,S.: "Effects of intrathecally administered nociceptin,an opioid receptor-likel(ORLI)receptor agonist,on the thermal hyperalgesia induced by unilateral constriction injury to the sciatic nerve in the rat." Neurosci.Lett.224. 107-110 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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