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1998 年度 実績報告書

神経誘導因子Chordinの下流に働く神経分化制御因子の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09680617
研究機関京都大学

研究代表者

笹井 芳樹  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (20283616)

キーワード神経発生 / 分化制御 / 神経誘導 / 転写因子 / SOX
研究概要

哺乳類を含めた脊椎動物の神経系は初期胚の未分化外胚葉から発生する。その際オーガナイザーからの誘導シグナルが分化を制御するが、神経誘導因子Chordinもそのひとつであり、未分化外胚葉に働くと神経組織を分化させる。我々は神経誘導因子Chordinを作用させた未分化外胚葉とさせていないものとを用いてデファレンシャル・スクリーニングを行い、神経特異的遺伝子を単離した。そのうち3つの転写因子(Zic-related 1,Sox-2,Sox-D)はこれらはごく初期神経板全体に発現していた。アフリカツメガエルのアニマル・キャップを用いた微量注入法の解析の結果、Zic-related 1,Sox-Dは単独で外胚葉の神経分化を誘導することが明らかとなった。Chordinの下流因子の機能解析を行うためドミナント・ネガチィブ変異体を作成し、mRNA微量注入法により胚での神経発生における機能を検討した。SoxDのドミナント・ネガチィブ変異体を強制発現させ機能阻害をすると、胚の大脳の発生が顕著に抑制され、OTXなどのマーカーも抑えられた。このことはSoxDが大脳原基の発生に必須であることを示す。しかし、中脳より後方の発生は大きな変化が認められなかった。一方、Sox2のドミナント・ネガチィブ変異体を強制発現させた胚では、大脳のみならず神経板全体の神経マーカーの抑制が認められた。このことはSox2は神経分化の制御により広範囲で必要とされていることを示す。SoxD,Sox2のドミナシト・ネガチィブ変異体ともアニマルキャップアッセイでは神経誘導を押さえた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 笹井芳樹: "Identifying the missing links : genes that connect neural induction and primary neurogenesis in vertebrate embryos." Neuron. 21. 455-458 (1998)

  • [文献書誌] 水関健司他: "Sox-D is an essential mediator for induction of anterior neural tissues in Xenopus embryos." Neuron. 21. 77-85 (1998)

  • [文献書誌] 水関健司他: "Xenopus Zic-related-1 and Sox-2,two factors inducer by Chordin,have distinct activities in the initiation of neural induction." Development. 125. 579-587 (1998)

  • [文献書誌] 山中庸司他: "A novel zebrafish homeobox gene,dharma,induces the organizer in a non-cell-autonomous manner." Genes & Development. 12. 2345-2353 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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