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1997 年度 実績報告書

遺伝子異常により産生されるSOD1の構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 09680621
研究種目

基盤研究(C)

研究機関島根大学

研究代表者

柴田 均  島根大学, 生物資源科学部, 教授 (40032601)

研究分担者 濱田 賢作  島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30180938)
澤 嘉弘  島根大学, 生物資源科学部, 教授 (70127489)
キーワードSOD1 / FALS / 遺伝子異常 / 異常タンパク
研究概要

第21染色体に存在する銅・亜鉛スーパーオキシドジスムターゼ(SOD1)の遺伝子異常は、運動神経の選択的障害を来す進行性変性疾患である筋萎縮性側策硬化症(ALS)の原因となる。山陰の家族性ALS(FALS)ではSOD1遺伝子に2塩基欠損があることをすでに明らかにしている。
本年度の研究において、2塩基欠損SOD1遺伝子を、pMAL-cRIを発現ベクターとして用い、マルトース-SOD1融合タンパク質として大腸菌内で発現させることに成功した。イムノブロット法で確認された融合タンパク質をアフィニティクロマトグラフィーで精製した。Factar Xaで切断後の異常SOD1タンパクは、電気泳動後の所定のバンドがインキュベーション時間とともに消失し、正常遺伝子由来のタンパクと比較して、極めて不安定であることが判明した。しかしながら、高濃度のチオール還元物を共存させることによりこの不安定性を克服できることから、プロテアーゼに対する高い感受性を持つことが予想され、患者の体内で発現されるが、充分な機能を発揮する前に分解されてしまうことが発病を導くと考察される。今後異常SOD1タンパクを大量に取得して、活性、銅・亜鉛の結合定数、立体構造の特徴などを検証する。
一方、大腸菌の銅・亜鉛SODは最近発見され、ペリプラズマに局在することが明らかとなった。この大腸菌のSODをヒト酵素のモデルとして、タンパク質工学的に2塩基欠損を導入し、変異大腸菌SODを発現させた。精製後のタンパクは弱いながらも活性を示し、金属含量が低下していること、さらに二次構造の形成が正常タンパクと比較して大きく抑制されていることが明らかになった。今後このモデルタンパクの酵素化学的性質の検討とともに、ペルオキシナイトライトによるチロシン残基のニトロ化、過酸化水素によるヒドロキシラジカル由来の非特異的酸化活性などについて、解析する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Watanabe, Y.Kono et al.: "Instebility of expressed Cu/Zn superoxide dismutase with 2bp deletion found in familial amyotrophic lateral sclerosis" FEBS Letters. 400. 108-112 (1997)

  • [文献書誌] Y.Kono, H,Shibata et al.: "Ircn Chelation by Chlorogenic Acid as a Natural Antioxidant" Biosci.Biotech.Biochem.62. 22-27 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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