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1997 年度 実績報告書

顆粒球コロニー刺激因子受容体を介する情報伝達機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09680638
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡山大学

研究代表者

村上 宏  岡山大学, 工学部, 助教授 (90260174)

研究分担者 長田 重一  大阪大学, 医学部, 教授 (70114428)
キーワード顆粒球 / コロニー刺激因子 / 受容体 / シグナル伝達 / 増殖 / 分化 / チロシンキナーゼ / 遺伝子発現
研究概要

顆粒性好中球の分化生成機構を解析するため、好中球の分化に関与されるとされるヒト転写因子MZF-1をプローブにして、相当するマウスのcDNAを単離したところ、この因子がジンクフィンガードメインを含むカルボキシル末端はMZF-1と高い相同性を示すがアミノ末端が全く異なる転写因子であることが判明し、これをMZF-2と名付けた。MZF-2遺伝子は造血系の細胞、なかでも好中球前駆細胞で発現がみられた。MZF-2の染色体遺伝子は5つのexonからなり、MZF-1とMZF-2は同一遺伝子領域の異なる転写開始点からの転写産物と推定された。MZF-2タンパク質のアミノ末端側には、ロイシン残基に富む領域(LeR domain)と酸性アミノ酸に富む領域が存在した。
一方、酵母でG-CSF受容体とsrc tyrosine kinase を共発現させ、酵母内で活性型に対応するリン酸化型G-CSF受容体を発現させた。さらに、この系に、相互作用する蛋白質を検索する系である酵母Two Hybrid Systemを適用し、リン酸化型G-CSF受容体と相互作用する蛋白質の遺伝子のスクリーニングをおこない、候補となるクローンを得た。
さらに、血球細胞の分化には細胞死の抑制が関与していると予想されるため、G-CSF刺激依存の細胞死の抑制に関与する遺伝子の発現を検討した。そのなかで、bcl-2遺伝子がG-CSF刺激後3時間後に発現が認められた。また、第4番目のチロシン残基に変異を導入した受容体を発現する細胞ではbcl-2遺伝子の発現誘導が起こらなかったので、G-CSF受容体の第4番目のチロシン残基が好中球分化における細胞死の抑制のシグナル伝達に関与すると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Murai,K.: "A novel form of the myeloid-specific zinc finger protein (MZF-2)." Genes to Cells. 2. 581-591 (1997)

  • [文献書誌] Orita,T.: "Binding of NF-Y transcription factor to one of the cis-elements in the myeloperoxidase gene promoter that responds to granulocyte colony-stimulating factor." J.Biol.Chem.272. 23216-23223 (1997)

  • [文献書誌] Shimoda,K.: "Jakl Plays an Essential Role for Receptor Phosphorylation and Stat Activation in Response to Granulocyte Colony-Stimulating Factor." Blood. 90. 597-604 (1997)

  • [文献書誌] Shimozaki,K.: "Involvement of STAT3 in the granulocyte colony-stimulating factor-induced differentiation of myeloid cells." J.Biol.Chem.272. 25184-25189 (1997)

  • [文献書誌] 村上 宏: "ノックアウトマウス・データブック" 中山書店, 564 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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