研究課題/領域番号 |
09680639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
辻 崇一 理化学研究所, 糖遺伝情報研究チーム, チームリーダー(研究職) (90124677)
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研究分担者 |
高島 晶 理化学研究所, 糖遺伝情報研究チーム, 研究員 (00300880)
小島 直也 理化学研究所, 糖遺伝情報研究チーム, 研究員 (30183338)
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キーワード | GD3合成酵素 / シアル酸転移酵素 / フコース転移酵素 |
研究概要 |
以前、本研究者等は、神経芽腫瘍細胞(Neuro2aのサブクローン)にGD3合成酵素のcDNAを導入したところ細胞はGD3とb-系列ガングリオシドを発現するようになり、増殖を停止し神経突起を伸展し、コリン作動性ニューロンの方向に分化することを明らかにした。この現象をさらに解析し、本年度は、以下の結果を得た。 1.人為的発現制御系を用いてGD3合成酵素遺伝子発現系による分化過程の解析: テトラサイクリン応答系を組み込むことにより、GD3合成酵素遺伝子発現から神経突起伸展が誘導されるまで二週間に渡る経時的な解析が再現性良く行えることが明らかとなった。テトラサイクリン処理後8時間後にはGD3合成酵素mRNAの発現が見られ、以後ほぼ定常的にその発現が見られた。合成されてくるガングリオシドを分析した結果、まずGD3の発現がみられ、以後次第によりシアル酸を多く持つb-系列ガングリオシドの発現が見られた。この間に、細胞の増殖は次第に抑制され、アセチルコリンエステラーゼの発現が観察されるようになった。 2.他の糖鎖遺伝子に分化誘導を引き起こす遺伝子があるか否かの検討: 分化誘導がGD3合成酵素遺伝子にのみ見られる現象なのか否かを検討を開始した。α1,2-フコース転移酵素遺伝子をNeuro2a細胞に導入発現させると、GD3合成酵素遺伝子による分化とは異なった方向に分化させる能力が発現してくることが明らかになった。
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