以下に代表される成果を得た。 ・カイコ及びヒトMBF1 TBP結合能を有したカイコ及びヒトMBF1のC末端側コアドメインの立体構造決定を行った。4本のヘリックスと特徴的なC末端Ωループからなるコンパクトな立体構造を持つ。点突然変異体の解析から転写活性化に必要な残基を同定することが出来た。 ・ヒトXPA蛋白質 中央ドメイン 構造解析の結果、XPA中央ドメインはN末のZnフィンガー部分のサブドメインとC末端サブドメインの2つのサブドメインからなり、両者は8残基のリンカーで繋がれている事が判った。結合実験によって、XPAのC末端側サブドメインの正に荷電したクレフトがDNAとの相互作用部位であり、ZnフィンガーサブドメインがRPA70との相互作用部位の一つであることを示す結果を得た。 ・ヒトDlg蛋白質PDZドメインとAPC C末端部分との複合体 立体構造解析の結果、APC C末端部分は、α/β構造を持つhDLG2-PDZ2ドメインのへリックスとβシートの間にある疎水的なクレフトに入り込むように結合していることが判った。APCのC末端のカルボキシル基は、クレフトの端に存在する正電荷のパッチにより結合の安定化を受けていると考えられる。 ・大腸菌ArcB 大腸菌の嫌気性センサーArcBのC末端リン酸基転移ドメインの立体構造を決定した。^<15>N緩和実験、及びアミドプロトン交換速度の詳細な解析によって、蛋白質の内部運動、外部運動、及び安定性の解析を行った。 ・2量体架橋をしたλCro蛋白質 蛋白工学的手法の応用としてホモ2量体を形成するλファージCro蛋白質にシステイン残基を導入することにより、S-S架橋変異体を作成した。その溶液中での立体構造を決定した。
|