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1999 年度 実績報告書

高等真核細胞DNA複製開始機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09680669
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

白形 正樹  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (70251551)

キーワードシグナル伝達 / DNA複製 / EBV
研究概要

潜伏感染EBVゲノムは複製起点oriPによって1細胞周期に1回だけ複製され細胞に保持されている。この複製はウイルス因子としてはEBNA1のみがoriP結合因子として必要であり、また我々の研究から細胞の複製ライセンシング制御を受けていることも示唆されている。oriPからの複製はこの細胞周期に依存した制御と同時に、細胞膜受容体からのシグナル伝達による制御も受けていると考えられる。EBウイルスの膜タンパク質LMP1からのシグナル伝達はTNFRに類似していてTRAFやTRADDを経由してNF-κB,JNKを活性化させる。そこでoriP複製のトランジェントアッセイでLMP1を共発現させ、LMP1からのシグナル伝達がoriPの複製にどのような影警を及ぼすか検討した。その結果、LMP1はoriPの複製を抑制することが明らかになった。また変異LMP1を用いた実験から、シグナル伝達に重要な2つの細胞質側ドメイン、CTAR1とCTAR2のうちCTAR1がこの複製抑制に関与していることも明らかになった。CTAR1にはTRAFが結合するPxQxTモチーフが存在し、この配列に変異を加えると抑制活性がなくなることから、複製抑制シグナルの伝達にはTRAFが関与していることが示唆された。また、LMP1を発現させなくてもTRAF6とTRAF5を共に強発現させると、LMP1と同様の複製抑制が観察された。これらの結果はoriPからの複製がLMP1とさらに細抱の膜受容体からのTRAF6,TRAF5を介したシグナル伝達によって制御されていることを示していた。このシグナル伝達経路はNF-kB,JNK-stat,MAPKなどの既知の経路とは異なることも判明しており、本研究結果は新たなシグナル伝達経路の同定につながると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Jifen Li: "Major product pp43 of human cytomegalovirus U_L 112-113 gene is transcriptional"Virology. 260. 89-97 (1999)

  • [文献書誌] T. Yamamoto: "Epstein-Barr virus (EBV)-indected cells were frequently but dispersely detected in"Virus Res. 95. 43-55 (1999)

  • [文献書誌] Masaki Shirakata: "Requirement of replication licensing for the dyad symmetry element-dependent replica"Virology. 263. 42-54 (1999)

  • [文献書誌] H. Shigekane: "The-bidirectional transcriptional promoters for the latency-relating transcripts"Arch Virol. 144. 1893-1907 (1999)

  • [文献書誌] Kanji Hirai: "Replication licensing of the EBV oriP minichromosome."Curr.Top. Micro. Imm.. (印刷中).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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