研究概要 |
光シグナルにおいてGTP結合タンパク質が関与していることが、GTPaseの阻害剤を用いた実験から示唆されている。特に青色光を照射したエンドウの芽生えで、青色特異的にPlasma membraneのGTPase活性が上昇する事が報告されている(proc.Natl Acad.Sci., 88,8925-9,1991)。しかし青色光の光伝達機構については、GTPaseを直接、または、間接的に制御する因子についてほとんど分かっていない。そこで昨年から特にGTPase活性に関与している青色光の光シグナルを中心に解析を行った。 1999年度成果 1)現在Arabidopsisの青色光レセプター遺伝子の変異株hy4を用いて、この変畢株にトランスポゾンを導入することで抑圧変異を単離している。 この抑圧変異株は、青色光下でhy4と野生株の中間的胚軸長を示していた。 2)また、植物ゲノムのランダムにエンハンサーを導入した植物集団の中から、青色光で胚軸が伸長する優性変異をいくつか単離した。 このような変異株及び抑圧変異株の原因遺伝子を単離することで、Gタンパク質を含めた青色光のシグナル伝達経路の解明を進めている。さらにこれらの変異株を用いて青色光によるGTPase活性がどのように変化するかを検討している。
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