PEBP2β遺伝子は、ペテロ2量体として機能するPEBP2転写因子の、DNA非結合性サブユニットをコードする。第16番染色体逆位を伴うヒト急性骨髄性白血病では、PEBP2β遺伝子と平滑筋ミオシン重鎖(SMMHC)遺伝子が融合し、活性化オンコジンであるPEBP2β-SMMHCキメラ遺伝子が生成される。本研究では、転写因子サブユニットとしての機能とは異なる、細胞質に局在するPEBP2β蛋白及びPEBP2β-SMMHCキメラ蛋白の新しい機能につき解析し、以下の結果を得た。 1. PEBP2β蛋白は、筋細胞の分化段階に伴って特徴的に変動する。 2. PEBP2β蛋白は、組織培養細胞において主に細胞質に局在し、かつ細胞骨格にアフィニティーを有する。 3. PEBP2β-SMMHCキメラ蛋白はストレス・ファイバー構築を崩壊させ、細胞形態の変化を引き起こす。
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