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1997 年度 実績報告書

細胞性粘菌より単離された分化誘導因子DIFの抗腫瘍作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09680686
研究種目

基盤研究(C)

研究機関群馬大学

研究代表者

久保原 禅  群馬大学, 生体調節研究所, 助手 (00221937)

キーワードDIF / Dictyostalium / anti-tamor agent / calcium / leukemia
研究概要

我々は、細胞性粘菌の柄細胞分化誘導因子(DIF-1)が、哺乳類腫瘍細胞に対して作用を持つことを見いだし研究を進めてきた。すでに、DIF-1が、マウスおよびヒトの赤芽球性白血病細胞の再分化(ヘモグロビン産生)を誘導すること、DIF-1が、ラット膵線房由来腫瘍細胞(AR42J)およびヒト白血病細胞(HEL)の細胞内カルシウム濃度を上昇させ、細胞分裂を阻害すること、高濃度のDIF-1が、AR42J細胞の細胞死(apoptosis)を引き起こすことを報告している。さらに今回は、ヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60)に対して、DIF-1が細胞内カルシウム濃度を上昇させること、細胞周期をG1期にarrestすることによって細胞の増殖を阻害すること、レチノイン酸による細胞分化を促進することを見い出した(Kubohara,Biochem.Biophys.Res.Commun.1997)。また、DIF-1の通常培養細胞に対する作用を調べ、DIF-1の細胞毒性が腫瘍細胞に対する毒性よりも小さいことを見い出し、DIF-1の臨床応用への可能性を示唆した(Kubohara et al.投稿中)。
DIF-1の作用機構は、産生母体である粘菌においても明らかになっていない。そこで、粘菌細胞分化に対するDIF-1と8-bromo cAMP(PKAの活性化剤)を調べ、それらが細胞の分化転換を引き起こすことを見い出した(Kubohara and Maeda,Comp.Biochem.Biophys.1997)。この結果は、哺乳類細胞におけるDIF-1の作用機構に示唆を与えるものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kubohara,Y.: "DIF-1,putative morphogen of D.discoideum,Suppresses cell growth and promote retinoic acid-induced cell differentiation in HL-60" Biochemical and Biophysscal Research Communications. 236. 418-422 (1997)

  • [文献書誌] Kubohara,Y., Maeda,M.: "Efficient induction by DIF-1 and 8-brono cyclic ANP of prespore-to-stalk conversion in Dictyostelium discoideum." Comparative Biochemistry and Physiology. 118A. 841-845 (1997)

  • [文献書誌] Asahi,K., Honma,Y., Hazeki,K., Sassa,T., Kubohara,Y., Sakurai,A., Takahashi,N.: "Cotylenin Ai a plant-grouth regulator,induces the ditlerantiation in murine and human myeloid cells" Biochemical and Biophysical Research cmmunication. 238. 758-763 (1997)

  • [文献書誌] 久保原、禅: "細胞性粘菌Dictyosteliummdiscoidcumの柄細胞分化誘導因子DIP-1の抗腫瘍作用" 生化学. 69巻10号. 1191-1195 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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