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1998 年度 実績報告書

真核細胞の二重鎖DNAひねり/巻き戻し因子(DUF)の構造と機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09680688
研究機関東京大学

研究代表者

室伏 擴  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70101128)

キーワードXenopus卵 / DNA複製 / SSRP1 / Cdc68 / HMGタンパク質 / p97ATPアーゼ / クロマチン
研究概要

DUFは、二重鎖DNAに結合して二重鎖に負にひねりを加え、二重鎖を局部的に開く活性を持つ因子として、筆者らによってXenopus卵抽出液から初めて精製された因子である。DUFは、出芽酵母のCdc68の類似体とSSRP1(シスプラチンによって修飾されたDNAに結合する因子)とのヘテロ二両体である。S期のXenopus卵無細胞抽出液に、精子クロマチンあるいはプラスミドDNAを添加すると、これらを鋳型としてDNA複製が起こる。この系を用いて、DNA複製におけるDUFの機能を解析した。抗-DUF抗体を用いて、卵抽出液からDUFを除くと、精子クロマチンを鋳型としたDNA複製活性が著しく減少した。これに精製DUFを加えると、複製能の回復が見られた。このことからDUFが卵抽出液におけるDNA複製に必須であるがわかる。精子クロマチンを卵抽出液に加えると、クロマチンが膨潤し、次いで、核形成が起き、DNA複製が行われる。卵抽出液中のDUFは核形成時またはそれ以後、かつ、DNA複製開始以前に核に取り込まれ、クロマチンと結合することがわかった。抗-DUF抗体を用いた沈降実験により、p97ATPaseがDUFと相互作用するということがわかった。p97ATPaseもDUFとほぼ同じ時期に、再構成された核に取り込まれた。p97ATPaseは細胞質において膜の融合に関与するとされてきたが、核内でDNA複製にも関与することが示唆される。DUFを含む卵抽出液中で再構成されたクロマチンDNAは、抗-DUF抗体をもちいてDUFを除いた卵抽出液中で再構成されたクロマチンDNAよりもヌクレアーゼ感受性が高いことが判明した。さらに、DUFはヒストンに対して強い親和性を示した。DUFはDNAおよびコアヒストンと相互作用して、DNA複製に必要なゆるんだクロマチン構造を作る作用を持つということが示唆される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Haga,K.: "GTP-binding-protein-coupled receptor kinase 2(GRK2)binds and phosphorylates tubulin" Eur.J.Biochem.255. 363-368 (1998)

  • [文献書誌] Okuhara,K.: "A Cdc68 and HMG protein complex involved in DNA replication in cell-free extracts of Xenopus eggs" Curr.Biol.(印刷中). (1999)

  • [文献書誌] Mukai,M.: "Inhibition of tumor invasion and metastasis by a novel lysophosphatidic acid(cyclic LPA)" Int.J.Cancer. (印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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