研究概要 |
本研究は分子生物学的手法による研究の好材料であるショウジョウバエを用いてレチノイド結合タンパク質の探索と機能解析をすることによって、これまで脊椎動物でしか明らかとなっていなかったレチノイドの機能とその調節機構が、無脊椎動物にもあてはまる普遍的なものであるかどうかを検証し、また脊椎動物で未だ明かとなっていないレチノイドの機能を解明することを目的としている。本年度は公布期間が2ケ月足らずと短かったため、来年度以降の研究遂行の準備実験を行った。 1.ショウジョウバエレチナ-ル結合タンパク質の遺伝子解析:イカの網膜より単離されたレチナ-ル結合タンパク質の抗体を用いてこの抗体と反応するショウジョウバエタンパク質を探索したところ、複眼と単眼に特異的に存在する分子量約115kDaのタンパク質が見つかった。このものは、これまでに知られていた、ショウジョウバエfatty acid and retinoid binding proteinとは分子量が異なり、異なるタンパク質と考えられたので、このものの遺伝子解析を進めるためにショウジョウバエ頭部から調整したcDNA libraryの発現スクリーニングの準備を行った。 2.脊椎動物レチノイド結合タンパク質の相同タンパク質の探索:脊椎動物のレチノイド結合タンパク質である、CRBP,CRABP,IRBPおよび、CRALBPに共通のアミノ酸配列をもとにPCR法を行う準備を進めた。
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