研究課題/領域番号 |
09680703
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
笠井 献一 帝京大学, 薬学部, 教授 (40001052)
|
研究分担者 |
荒田 洋一郎 帝京大学, 薬学部 (90246017)
平林 淳 帝京大学, 薬学部, 講師 (40156691)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
キーワード | ガレクチン / アポトーシス / 線虫 / C.elegans / リンパ球 |
研究概要 |
ガラクトシド残基を含む複合糖質糖鎖を特異的に認識する動物レクチンファミリーであるガレクチンの機能のひとつとして、アポトーシスとの関わりが注目されてきた。ガレクチンと免疫系細胞のアポトーシスとの関連についての報告が相次いでいる。ガレクチン-1によるリンパ球のアポトーシスの誘導には、細胞表面の糖鎖を認識が関わり、これはFasを介さない新しい信号伝達系である可能性がある。われわれはMHL/1prマウスのリンパ節より得られるFasを欠いたリンパ球に対し、ガレクチン-1がアポトーシスを誘導することを認め、上の仮説を支持する知見を得た。一方、Tリンパ球の細胞外マトリックスへの接着やサイトカイン放出もガレクチン-1で抑制されることも見出した。ガレクチン-1が自己免疫疾患の抑制に有効である可能性が示唆されたので、ヒトのリウマチモデルである、コラーゲン注射によりリウマチを誘導させたマウスに対するガレクチン-1の治療効果を検討した。組み換えガレクチン-1を分泌するよう遺伝子操作した繊維芽細胞を注射、あるいは直接に組み換えガレクチン-1蛋白質を注射すると、血清中の抗コラーゲンIgGレベルが低下し、リウマチ発症を抑制できた。またリンパ節中のリンパ球は抗原により誘導されるアポトーシスに対して感受性になっていることも示された。一方、高等動物における諸現象の解析に最適のモデル動物である線虫にも、哺乳動物と相同性の高いガレクチンが多種類存在することをわれわれは発見している。線虫の発生過程におけるプログラム細胞死とガレクチンの関わりを研究するために必要な種々の準備として、種々のガレクチンの遺伝子のクローニング、様々な改変遺伝子の作成などを行った。これらの遺伝子を受精卵へ導入し、アポトーシスとの関わりを今後追求してゆく。
|