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1999 年度 実績報告書

ヒドラ細胞外マトリックスの欠失、再合成が細胞構造、細胞活動に影響する機構の探求

研究課題

研究課題/領域番号 09680708
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

清水 裕  国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (60178986)

研究分担者 美濃部 純子  福岡女子大学, 人間環境, 助手 (80190718)
キーワード細胞外マトリックス / 細胞増殖 / 基底膜 / 遺伝子発現 / 細胞分化 / 形態形成 / 細胞間情報伝達 / 多細胞動物
研究概要

1細胞外マトリックスが形態形成に及ぼす影響
メソグリアの欠失と形態形成に部域的な相関が強く認められたことから、形態形成に関して何らかの役割を担うことが強く示唆された。一方、メソグリアの欠失はそれ自体の再合成を活性化し、欠失を解消する方向へと展開する。そこで、ラミニンB1 chain遺伝子のmRNAと相補的な配列を持つチオオリゴヌクレオチドを合成し、細胞内へのエレクトロポレーションによる導入を試みた。これは、理想的にはラミニンB1 chain遺伝子との相同部分の結合による遺伝子発現の阻害をもたらし、この遺伝子の擬似的なノックアウトにつながるはずである。仮にこのラミニンB1chainの新たな合成がヒドラ足部再生などの形態形成にとって必須であれば、遺伝子のノックアウトは形態形成のノックアウトに直結するはずである。この実験、および、同様の目的のためのRNAi法を用いた二重らせんのRNAの導入の結果、ラミニンの発現が予測通りに低下することを明らかにした。更にこの低下した個体では、頭部再生が有意に低下するのが認められ、このラミニン遺伝子の発現が形態形成に影響を及ぼす可能性が強く示唆された。
2細胞外マトリックスが神経網形成、上皮細胞増殖に及ぼす影響の解析
ヒドラメソグリアの合成を選択的に阻害する効果がある薬剤やメソグリア成分に対する抗体、及び外科的手法でメソグリアを欠失させた個体を作成し、欠失部分の神経網形成、上皮細胞増殖への影響を調べた。その結果、いずれの条件下でも欠失の効果は認められなかった。この結果は、神経網形成、細胞増殖に細胞外マトリックスが直接関与しない可能性を支持する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takahashi, T., et al.: "Systematic isolation of peptide signal molecules regulating development in Hydra : I. Lwamide and PW families"Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A.. 94. 1241-1246 (1997)

  • [文献書誌] Takahashi, T., et al.: "Structure-activity relation of Lwamide peptides synthesized with a multipeptide synthesizer"Peptide Chemistry. 1996. 193-196 (1997)

  • [文献書誌] Grens, A., Shimizu, H., Hoffmeister, S.A.H., Bode, H.R., and Fujisawa, T.: "The novel signal peptides, Pedibin and Hym-346, lower positional value thereby enhancing foot formation in hydra"Development. 126. 517-524 (1999)

  • [文献書誌] Takahashi, T., et al.: "Identification of a new member of the LWamide peptide family : Physiological activity and cellular Localization in Cnidarian polyps"Biological Bulletin. (in press).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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