II型カドヘリンの一つカドヘリン-5(C5)を研究対象に取り上げ、その細胞接着複合体を検討した。C5のL細胞トランスフェクタントを温和な条件下に可溶化し、抗C5抗体を用いて免疫沈降法を行った結果、C5はクラシックカドヘリンと同様α-カテニン、β-カテニン、γ-カテニン、p120^<cas>と接着複合体を形成していることが判明した。C5のトランスフェクタントをCa^<2+>抜きのPBSで処理すると細胞間接着は完全に破壊されるが、この処理でも接着複合体は安定に存在した。また、^<35>S-メチオニンによるメタボリックラベルを行なった試料を用いて免疫沈降を行なったところ上記以外の分子も共沈することが判明したが、その同定にはいたらなかった。さらに、カドヘリンの接着活性はセリン、スレオニンのリン酸化により調節を受けている可能性が示された。
|