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1998 年度 実績報告書

棘皮動物二次間充織細胞表面抗原の分離とその胚発生における機能と遺伝子発明解析

研究課題

研究課題/領域番号 09680719
研究機関東北大学

研究代表者

加藤 秀生  東北大学, 理学部, 教授 (30111610)

研究分担者 倉石 立  東北大学, 理学部, 助手 (60195526)
キーワード棘皮動物胚 / 二次間充織細胞 / 細胞表面特異抗原 / モノクローン抗体 / 遺伝子発現
研究概要

本年度は8C12モノクローン抗体の抗原蛋白について以下に述べる生化学的・生物活性的特性を明らかにした。
(1) 8C12抗原蛋白は相対分子量35kDaの単量体構造である。
(2) この抗原蛋白にはN-結合糖鎖は全く含まれていないか、含まれているとしても極めて少量である.
(3) したがって、0-結合糖鎖については調査していないが、8C12抗体はペプチド鎖を認識している可能性が高く、次年度に予定している発現形CDNAライブラリーのスクリーニングにそのまま使える可能性が出てきた。
(4) 8C12抗原の発現は前回の報告後更に詳細に解析を重ねた結果、必ずしも二次間充織細胞表面のみに発現するのではなく、一次間充織細胞の移入の直前と孵化前にも胚表面に発現することが明らかになった。しかし、イムノブロットと免疫組織化学観察からは上記の3時期に限って、極めて発生段階特異性が高い特性を持って発現することが明らかになった。これは、発現調節機構について興味ある蛋白と思われる。
(5) このことから、細胞外基質を分解する機能を持っていると推測されたので、変性コラーゲンを基質に用いたザイモグラフを行った。この結果、8C12抗原蛋白に近い分子量を持つ領域に4つの活性バンドが検出された。しかし、このいずれもが8C12抗原とは異なる分子量であるため、この抗原蛋白がProteinase活性を持っている可能性は低いと判断された。ウニ胚基底層にあるバムリンを識別するモノクローン抗体による免疫組織化学では一次間充織細胞移入領域での基底層消失を確認しているので、今後使用する基質を換えることによって、Proteinase活性が検出される可能性はある。さらに、既知のマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)数種類について免疫化学的に8C12との類似性を解析したがいずれも共通エピトープを検出しなかったことから、既知のMMPとは異なると推測される。
(6) 8C12抗体の胞胚腔顕微注入による形態形成運動への影響は観察されなかった。おそらく、8C12抗体のエピトープが活性部位と結合していないと考えられる。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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