spf^<ash>ヘテロ型雌マウスを用いて、肝臓と小腸におけるオルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)発現のモザイクパターンを発生を通じて免疫組織化学的に解析し、次のように肝臓と小腸の細胞系譜を明らかにした。 1.肝臓発生過程におけるモザイクパターンを解析したところ、パッチサイズは発生の進行とともに増加した。また胎児期から新生児期にかけて、パッチは細い索状構造をとったが、生後結節状のものが増加した。パッチの3次元的な接続性については、成体肝臓や生後2週個体肝臓においてはよく接続していたが、胎児肝臓では、約5-70細胞からなる孤立パッチがしばしば観察された。以上の結果は、胎児期ならびに新生児期において肝細胞の移動・細胞混合が盛んであること、また娘細胞の配置が肝細胞索の長軸方向に行われること、生後は肝細胞が娘細胞を結節状に配置することを示唆している。 2.胎児肝臓において、成熟肝細胞と胆管細胞への分化はおこるので、この時期に観察される3次元的孤立パッチ中に含まれる胆管細胞と成熟肝細胞前駆体を免疫組織化学的に解析した。その結果、3次元的孤立パッチは、胆管細胞前駆体だけからなるもの、成熟肝細胞前駆体だけからなるもの、両方の前駆体をふくむものの3タイプが観察され、これは、細胞系譜上で、胆管細胞だけになる肝芽細胞、成熟肝細胞だけになる肝芽細胞、両方になる肝芽細胞が存在することを示唆している。 3.小腸発生過程で、単クローン性の成体型陰窩は、生後2週頃成立し、それより以前はOTC陽性と陰性の細胞からなる混合型の陰窩が観察された。この結果は、陰窩の初期形態形成と幹細胞域の成立がカップルしていないことを示しており、個々の陰窩成熟過程で、幹細胞のタネになる細胞1個がどうやって決定されるか、興味深い。
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