研究概要 |
(a)戻し交配HNI/pl(雌)xpl/pl(雄):3組を用いて597個体のF1について調べたところ、野生型278(46.6%),pl 317(53.1),lPl 2(0.3%)であった。さらに約500個体を調べたがこの値はほぼ変わらなかった。lplの出現頻度はかなり高いと言わなければならない。(b)lpl-1(male)xlpl-2(female):pl 90(53%),lpl 43(25%),wild type 38(22%)。更に良く解析すると、plについては半数が約半数(47)が発生初期には胸鰭budを形成していることが明らかとなった。(c)lpl-1 xpl/pl:lpl-1の表現型とplの表現型が1対1で分離することはなく殆どがplの表現型を示し約1割がlplを示した。これまでの実体顕微鏡による観察から、lpl変異には胸ヒレの成長過程に関して多数の表現型があることが示唆されている。最も典型的なタイプは、発生初期には両方の胸ヒレbudが出現するが発生とともに右ヒレの成育がよいものが目立ち左はbudのままでヒレの成長が見られないものが多く観察された。これまでの実験から、表現型の現われ方は始め予想したものよりも複雑で単一な遺伝子の支配によっては説明できない。遺伝子のバックグラウンドかへテロでありその点も結果を複雑にしている。
|