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1998 年度 実績報告書

中胚葉誘導仮説の批判的再検討

研究課題

研究課題/領域番号 09680729
研究機関鹿児島大学

研究代表者

坂井 雅夫  鹿児島大学, 理学部, 助教授 (40162268)

キーワードゼノパス / 中胚葉誘導 / 遺伝子発現 / 細胞移植 / 卵片発生
研究概要

1. ゼノパス32細胞期のD1細胞をD4位置に移植し、その後、移植されたD1細胞の上に位置する細胞群をさまざまなタイミングで外植することにより、背側化の誘導がどの時期に起こっているかを系統的に調べた。形態のレベルでも、背側遺伝子発現のレベルでも誘導シグナルが伝わるのは遺伝子発現が始まる中期胞胚以降であることがわかった。さらに、誘導が起こるときにも、誘導された元の腹側割球の子孫からはsiamoisの発現が起こらない(chordinの発現は起こる)ことがわかった。このことは、siamoisの発現につながるシステムが細胞内でだけ作用していることを示している(Developmentに投稿中)。
2. 誘導現象を調べる新しい実験系を開発した。これは、ゼノパス受精卵の植物極を除去することによって得られる背側構造を持たない胚の胞胚腔内にさまざまな細胞などを移植することにより、どのような構造または遺伝子の発現が見られるかを調べることにより、移植されたものからの誘導を推測するというものである。除去量を調節することにより、原腸陥入が起こる胚(ここではXbraが発現している)と原腸陥入が起こらない胚を得ることができるが、これまでにおこなった実験では初期原腸胚の原口背唇部(オーガナイザー)を移植すると前者の胚では伸長が起こり、前部の構造を欠いた胚ができたのに対し後者の胚では伸長が起こらず前部の構造(セメント腺)のみが見られた。この実験系は、従来のアニマルキャップなどの系と比べて、誘導の性質を背側化誘導、一般的な中胚葉誘導に切り分けて調べるのに適している。また、遺伝子発現を調べることにより、これらの誘導がどの時期に起こっているか(背側化誘導については中期胞胚以降であることが上記研究により既に示されている)を調べるのにも役に立つと思われる。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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