研究概要 |
本研究は脊椎動物の脳神経系で特徴的な発現パターンを示すホメオボックス遺伝子に焦点を当て,新たな遺伝子の探索・単離とともに,これらの遺伝子群の機能をジーンターゲッティングターゲティングなど発生工学的方法を駆使することにより解明することを目標とする。本年度は以下の遺伝子のノックアウトマウスの作成を中心に研究を行った. 1)Mbx遺伝子 脳の部域で特異的に発現する遺伝子であるMbx遺伝子のノックアウトマウスを作成し,表現型を解析した.これらのマウスの一部では,著しい発育不良,運動量低下が認められたが,遺伝子型と表現型が必ずしも一致せず,マウスの系統差による影響が疑われた.現在,いくつかの近交系マウスへ本変異遺伝子を導入し確認している. 2)Lbx遺伝子 昨年度の研究により単離された後脳より後半の神経系で発現するホメオボックス遺伝子 Lbxlのターゲティングベクターを作成し,マウス胚幹細胞へ導入した.450個のES細胞株をクローニングしそのうち5株で相同組み換えが生じていることがPCRで確認され,現在キメラマウスを作成中である.
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