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1998 年度 実績報告書

神経終末機構におけるイノシトールポリリン酸の関与と分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09680763
研究機関大阪大学

研究代表者

新延 道夫  大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (80135748)

研究分担者 有賀 純  理化学研究所, ライフサイエンス筑波研究センター, 研究員 (10232076)
キーワードシナプス小胞 / エンドサイトーシス / シナプス連絡 / ラット交感神経節細胞 / アルツハイマー病 / アミロイド前駆体蛋白質
研究概要

我々はシナプス小胞のエンドサイトーシスにシナプトタグミンのC2Bドメインが何らかの重要な役割を果たしていることを、ラット交感神経節細胞の初代培養系を用いた電気生理学的実験より明らかにしたが、この過程で、アルツハイマー病(AD)の発症と関わりのあるアミロイド前駆体蛋白質(APP)が同様の実験からシナプス小胞のエンドサイトーシスに関与していることを示唆する結果を得た。ADの初期症状として急激な記憶の減退があり、APPのシナプスにおける機能を明らかにすることがADの発症を生化学的に解明する一つの手がかりになると考え、ラット脳膜分画の高塩濃度抽出液より、APP細胞内ドメインに結合する蛋白質のスクリーニングを行った。ボルトンハンター法でヨードラベルした細胞内ドメインに位置する31残基のC末端ペプチドを用いて、特異的に結合する蛋白質をスクリーニングした結果、ll5kDaの分子量を持つ蛋白質を見出した。ペプチドを用いた阻害実験より阻害定数を算出したところ、約0.7μMの値が得られた。さらに、本蛋白質の局在性を調べたところ、シナプトゾームを含む膜画分に豊富に存在することが認められた。この結果は、本蛋白質がAPPを通じてシナプス機能に関わっている可能性を強く示唆するものである。APPの細胞内ドメインに結合する蛋白質として現在までにGo、APP-BPl、X-11、Fe65などが報告されているが、APPの生理機能との関連については明らかにされていない。数種類のペプチドを合成し、それらによる阻害実験あるいは報告されている知見より、本蛋白質がAPPの生理機能に関わる新規蛋白質である可能性が高く、ADとの関連も含めて、本蛋白質の機能を明らかにすることは極めて重要であると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Niinobe,M.: "Synaptotagmin is an Inositol Polyphosphate Binding Protein : Isolation and Characterization as an Ins1,3,4,5-P4 Binding Protein" Biochem,Biophys.Res.Commun.205. 1036-1042 (1994)

  • [文献書誌] Fukuda,M.: "Functional Diversity of C2 Domains of Synaptotagmin Family-Mutational Analysis of Inositol High Polyphosphate Binding Domain" J.Biol.Chem.270. 26523-26527 (1995)

  • [文献書誌] Fukuda,M.: "Role of the C2B Domain of Synaptotagmin in Vesicular Release and Recycling as Determined by Specific Antibody Injection into Squid Synapse" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 92. 10708-10712 (1995)

  • [文献書誌] Ohara-Imaizumi,M.: "Distinct Roles of C2A and C2B Domains of Synaptotagmin in the Regulation of Exocytosis in Adrenal Chromaffin cells" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 94. 287-291 (1997)

  • [文献書誌] Mochida,S.: "Roles of Synaptotagmin C2 Domains in Neurotransmitter Secretion and Inositol High-Polyphosphate Binding at mammalian Synapses" Neuroscience. 174. 937-943 (1997)

  • [文献書誌] Mizutani,A: "Regulation of AP-2-synaptotagmin Interaction by Inositol High Polyphosphate" Biochem,Biophys.Res.Commun.240. 128-131 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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