脳特異的遺伝子導入法による発生後期過程の脳機能形成でのミクログリアの役割の解析

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09680774
• 研究機関: 藤田保健衛生大学
• 研究代表者: 澤田 誠 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (10187297)
• キーワード: ミクログリア / 遺伝子導入 / 脳特異的 / 脳の発生 / 機能形成

研究概要

第2年次として本年度は以下のような解析をおこなった。
1. 株化ミクログリアへの遺伝子導入:脳の発生や機能発現に関与するGDNFおよびBDNF遺伝子をGFPと共発現する用に組み換えたものを株化ミクログリアヘ導入して安定発現株を選択している。
2. 脳切片での解析系:大脳皮質切片を培養して株化ミクログリアを添加すると集合電位がテタヌス刺激を加えることなく増大することが判り、ミクログリアの脳高次機能への関与が考えられた。現在、ミクログリアの責任因子について解析を進めている。
3. 生体脳への遺伝子導入:GFP安定発現ミクログリアを末梢血管経由で脳内に導入すると1-2週面で休止ミクログリア様の分岐状形態に変化し、その後3-5ヶ月に渡って脳内で生存することが判った。
4. ミクログリアの脳内局所導入するための方法の開発:スナネズミの前脳虚血-再還流系での遅延性神経細胞死がおこる海馬CA1領域に末梢血管経由で導入したミクログリアが集積することが判った。

研究成果

• [文献書誌] Makoto Sawada: "Brain-specific gene expression by immoitalized microglial cell-mediated geme transfer in the mammalian brain" FEBS Letters. 433. 37-40 (1998)
• [文献書誌] Makoto Sawada: "IL-10 inhitoits both production of cytokines and expression of cytokine receptors in microglia" J.Neurochem.in press. (1999)
• [文献書誌] Kunihiko Asakura: "Differentiation-specific mRNA expression of a mouse bipotential glval cell line" Neurosci Lett. 258. 21-24 (1998)
• [文献書誌] Akihide Takeuchi: "Microglial NO induces delayed neuronal death following acute injury in the striation" Eur.J.Neuroscience. 10. 1613-1620 (1998)
• [文献書誌] Makoto Sawada: "Pathophysidogical significance of cytokine network in the brain." Brain and Biodifence(Oomura, Y.and Hori, T.eds. 217-228 (1998)
• [文献書誌] 澤田 誠: "神経系の分化とサイトカイン" Clin Neurosci. 16. 406-408 (1998)