Cl^-ポンプサブユニットcDNAのクローニング 昨年度、ラット脳細胞膜Cl^-ポンプの4種類の主構成蛋白のうち55kDa蛋白のN末アミノ酸配列(25残基)を明らかにし、そのアミノ酸配列から推測される塩基配列に対応するアンチセンスプライマーを化学合成し、一方向性に挿入されたラット脳cDNAライブラリーを鋳型に5'上流領域を増幅し、シグナルペプチドと考えられる領域を含む173bpのDNA配列を明らかにした。今年度、ラット脳cDNAライブラリーから上記で得られた5'上流領域の塩基配列(173bp)をプローブとして用いて、スクリーニングを行った。非放射性核酸検出システムであるジゴキシニゲン-dUTPを用いたランダムプライムシステムによるDNA標識、ELISAによるハイブリッド検出法では、非特異的な結合が多く改善が困難であったため、放射性同位元素(α-^<32>PdCTP)を用いたランダムプライムシステムによるDNA標識に変更してスクリーニングを行った。1stスクリーニングによって得られたpositive plaqueは、上記の173bpを含むことをPCR法で確認したうえで2ndスクリーニングを行い、現在シークエンシング中である。 年度内にはCl^-ポンプサブユニットcDNAを明らかにできなかったが、ノーザンプロットの結果より、4.2kbのバンドが検出された。主として脳で多く発現が認められ、その他、肝臓、腎臓、骨格筋にも認められることを明らかにした。
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