研究課題/領域番号 |
09680795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
樋口 隆 福井医科大学, 医学部, 教授 (70106326)
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研究分担者 |
村田 拓也 福井医科大学, 医学部, 助手 (70281186)
成田 和巳 福井医科大学, 医学部, 助手 (80270958)
本田 和正 福井医科大学, 医学部, 助教授 (50143946)
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キーワード | 分娩 / 母性行動 / 一酸化窒素 / 視床下部 / 子宮 / 一酸化窒素合成酵素 / 自律神経 / 下垂体 |
研究概要 |
1)一酸化窒素(NO)発生薬を妊娠末期のラットの脳室に投与すると、分娩が遷延し、母性行動が抑制される。2)妊娠末期から分娩期にラットの視床下部の室傍核と視索上核のNO合成酵素活性が低下する。という以前の我々の実験結果と、妊娠末期から分娩期にラットの子宮のNO合成酵素活性も低下するとする他の研究者の結果に基づいて、本年度は視床下部と子宮におけるNO合成酵素活性変化が互いに関連しているか、またNOが分娩と母性行動の誘発に生理的な役割を演じているかを明らかにするための研究を計画した。しかし本年度途中で研究代表者の所属機関が変更になったために、研究分担者の顔ぶれも代わり、本年度は研究体制の整備に主眼をおかざるをえなかった。本年度中に麻酔下のラットにおいて、子宮へ投射する自律神経からの活動電位の記録法、及び子宮と脳組織中に含まれるNO濃度のケミルミネッセンス法による測定法をほぼ完成させることができたので、来年度にはこれらの方法を用いて、多くの成果が期待できる。満足できる実績とはいえないながら、妊娠末期から分娩期において下垂体前葉のNO合成酵素活性が増加するという結果を得て、Neuro Reportに発表することができた。この結果は副産物的ではあるが、視床下部-下垂体後葉系ではこの時期にNO合成酵素活性が抑制されることと対照的であり、極めて興味深い発見である。下垂体前葉系のNOの働きについても来年度以降の研究計画につけ加えることとした。
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