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1999 年度 実績報告書

海馬神経細胞におけるNMDA受容体サブユニットのソーティングに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09680796
研究機関九州大学

研究代表者

伊藤 功  九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20183741)

キーワード海馬 / NMDA受容体 / ε1サブユニット / ε2サブユニット / シナプス / CA3錐体細胞
研究概要

海馬CA3錐体細胞にはNMDA受容体依存型の長期増強(LTP)を示す二つのシナプスが知られている。これらは、commissural/associational(C/A)-CA3シナプス、およびcommissural(Com)-CA3シナプスと呼ばれている。我々は、これら二つのシナプスにおいて機能しているNMDA受容体に対し、NMDA受容体εサブユニット遺伝子のノックアウト効果を比較解析した。その結果、海馬CA3錐体細胞ではNMDA受容体の2つのεサブユニット分子(ε1およびε2)が、入力特異的ないしは細胞の極性に基づいて特定のシナプスに分配・配置(ソーティング)されている可能性を示唆するデータを得た(J.physiol.,1997)。
我々は、これらの観察を異なる方法で確認するために、正常なマウスから作製した海馬スライスに、サブユニット特異的なアンタゴニストを適用して薬理学的解析を行い、ノックアウトマウスを用いて得た結果を再確認した。次に、電気生理学的解析により、このソーティングが細胞の極性に基づくのではなく、入力特異的に行われていることを明らかにした(Neuropharmacol.,in press)。さらに、発生学的な検討の結果、入力特異的にεサブユニットがソーティングされ、かつε1サブユニットとε2サブユニットの発現時期が異なるために、可塑的性質の発現時期も、シナプスにより異なっていることが明らかになった(Neurosci.Res.,1998)。これらの事実は、シナプス後膜に発現される受容体のサブユニット構造およびシナプスの可塑性発現時期が、シナプス前線維とシナプス後細胞の相互作用により制御されていることを意昧している。また、この様な制御を可能にするためには、シナプス前線維からのシグナルを受けて、受容体分子やそのサブユニットを入力特異的に分配、配置するソーティング機構がシナプス後細胞に存在すると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] I.Ito: "Input-specific targeting of NMDA receptor subtypes at mouse hippocampal CA3 pyramidal neurone synapses"Neuropharmacol.. (in press).

  • [文献書誌] T.Osaki: "Horseshoe crab hemocyte-derived antimicrobial polypeptides,tachystatins, with sequence similarity to spider neurotoxins"J.Biol.Chem.. 274(37). 26172-26178 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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