研究概要 |
以下に本年度の研究実施計画3項目についての進行状況を報告する 1)Immediate early gene(IEG)による検索については恒暗条件下で飼育したラットに光照射を行うと視床下部視交叉上核(SCN)においてleucin zipper型IEGであるc-fosやzincfinger型IEGであるNGFI-A遺伝子の発現がSCN腹外側部においてみられ、NGFI-A遺伝子の発現はc-fos遺伝子より広範囲に出現し一部SCNを越えて散在性に前視床下部領域にまで陽性のニューロンが現れた。またSCN腹外側部の代表的なペプチドニューロンであるVIPニューロンでの発現が二重in situ hybridization法により確かめられた。これらの成果は97年度Brain Research誌に発表された。2)光刺激後のVIP,AVPレセプターに関する実験についてはRT-PCR法によりVIP2,VIaレセプターcDNAを採取してプラズミドベクターにサブクローニングを行った。レセプターin situ hybridzationを行ってそれらの遺伝子発現を検索中で、光照射30分後に視床下部室傍核(PVN)においてVIP2レセプター遺伝子の増強がみられている。3)神経連絡についての検索については逆行性トレーサーであるコレラトキシンBサブユニットを右室傍核(PVN)に注入し、SCN内のペプチド含有神経細胞からPVNへの神経連絡を二重染色法を行って検索したところ、おもに背内側部に存するAVPニユーロンからPVNへの投射がみられた。また同時に扁桃体内側核からPVNへの投射が多数認められ、しかも約その半数が一酸化窒素(NO)産生ニューロンであることが明らかになった。これらの新しい知見は97年度Brain Research誌に発表された。
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