平成9年度は、以下に記載した研究実施計画に基づき、1頭目のサルにおいては、平成9年度実施予定の(1)から(6)までと平成10年度実施予定であった(7)から(9)まで、2頭目のサルにおいては、(1)から(4)までを行い、現在、(5)、(6)を遂行すべく、単一神経細胞記録にて脳幹部のマッピングを行っている。 滑車神経の微少電気刺激においては、5-6ミリ秒の短潜時で解剖学的に報告されている上斜筋の作用方向と定性的には一致する眼球運動(内旋、下転、外転)が誘発された。その誘発眼球運動の持続時間は、電気刺激の持続時間に一致しており、三次元眼位のいずれの成分も電気刺激終了後、開始時とほぼ同一の潜時を持って指数関数的に刺激前の眼位へ復帰する傾向が見られた。さらに、誘発眼球運動の回転軸が刺激の時間経過に伴って変動する傾向も認められた。眼位と誘発眼球運動の各成分の大きさとの相関の定量的検討は、現在進行中である。平成10年度は、現在実験を行っているサル及び、新年度購入予定のサルにおいて引き続き滑車神経、外転神経への微小電気刺激、単一神経細胞記録を行い、実施計画の(9)、(10)を完了させる予定である。 研究実施計画平成9年度 (1)三次元眼球運動記録用強膜サーチコイルの製作(2)三次元眼球運動記録校正のための、トレーニング(3)全身麻酔下の無菌手術(4)移植された強膜サーチコイルの校正(5)滑車神経、外転神経への微小電気刺激の遂行(6)回転ベクトル表記に基づいた解析 研究実施計画平成10年度 (7)単一神経細胞記録と三次元眼球運動記録の遂行(8)回転ベクトル表記に基づいた解析(9)組織学的同定(10)単一神経細胞記録の結果と微少電気刺激の結果の比較検討
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