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1998 年度 実績報告書

細胞内記録によるサッケードジェネレータへの入力解析

研究課題

研究課題/領域番号 09680811
研究機関筑波大学

研究代表者

吉田 薫  筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50111373)

キーワードポーズニューロン / 活動休止 / 上丘 / 抑制入力 / 細胞内記録
研究概要

サッケードジェネレー夕を構成する最も重要な神経要素は、バーストニューロンとポーズニューロンであり、いずれも極めて特徴的な発射パタンを示す。前者はサッケードに一致してバースト発射し、その頻度はサッケード速度をコードする。ポーズニューロンは注視時に高い発射活動を示し、バーストニューロンを持続的に抑制しているが、サッケードに一致して活動を休止し、その結果抑制が解除されてバーストニューロンの発火が可能になる。しかし、サッケードの開始と持読を決めるポーズニューロンの活動休止が、どのような入力により生ずるかは明らかにされていない。本研究では、覚醒ネコのポーズニューロンから細胞内記録を行い、サッケードの上位中枢である上丘からの入カとならびにサッケード時の膜電位変化を解析した。上丘の電気刺激はポーズニューロンに対し、単シナプス性興奮と2シナプス性抑制を誘発した。またポーズニューロンはサッケードに一致して急激な抑制性入カを受けることが明らかにされた。
定量解析の結果、この抑制は眼球速度に比例した成分、すなわちバーストニューロンからの入カと、これに先行する早い成分からなることが明らがにされた。早い成分は、活動休止の開始を決めるトリガーの役割を果たすこと、上丘からの2シナプス性抑制経路が関与することが示唆された。以上の結果から、ポーズニューロンの活動休止の開始、したがってサッケードの開始は上位中枢からの入カにょり制御され、一方その持読はサッケードジェネレータ内部のバーストニューロンからの帰還入カに上り制御されることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Chimoto S: "Projection and firing properties of down eye-movement neurons in the interstitial nucleus of Cajal in the cat." J.Neurophysiol.81. 1199-1211 (1999)

  • [文献書誌] Yoshida K: "Inhibitory input to pontine omnipause neurons and saccade gating." Jap.J.Physiol.48 Suppl.s535 (1998)

  • [文献書誌] Nakamagoe K: "Firing behavior and inactivation of eye movement-related cells in the pontine medial longitudinal fasciculus (MLF) in the cat." Neurosci.Res.Supple.22. S168 (1999)

  • [文献書誌] Iwamoto Y: "Omnidirectional pause neurons receive an eye velocity signal during saccades in the alert cat." Soc.Neurosci.Abstr.23-1. 7 (1997)

  • [文献書誌] Nakamagoe K: "Neurons in the dorsomedial pons that discharge in relation to vertical eye movements in the cat." Soc.Neurosci.Abstr.23-2. 2367 (1997)

  • [文献書誌] Chimoto S: "Brainstem comnipause neurons receive a vectrial eye velocity signal during saccades in the alert cat" Jap.J.Physiol.47 Suppl.2. s176 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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