• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

脊髄痛覚伝達の緩徐シナプス応答に関与する新しいNMDA受容体の薬理学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 09680815
研究種目

基盤研究(C)

研究機関佐賀医科大学

研究代表者

熊本 栄一  佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (60136603)

研究分担者 吉村 恵  佐賀医科大学, 医学部, 教授 (10140641)
キーワード脊髄 / 痛覚 / グルタミン酸 / パッチ・クランプ法
研究概要

成熟ラットから麻酔下に脊髄を摘出し、冷却したクレブス液に入れる。一側、L5又はL6後根を残し、他の前根や後根を全て切除した後、クモ膜や軟膜を除去する。厚さ約600μmの横断スライスに後根を付した標本をビブラトームで作成し、記録用チェンバーに装置し、約36度に加温したクレブス液で潅流する。この脊髄スライス標本における後角第2層(膠様質)にブラインド・パッチクランプ膜電位固定法を適用すると、第2層の局所的、或いは、後根のAδ線維の電気刺激により緩徐なシナプス後電流(s-EPSC)が記録できる。この膜電流はGDP-β-Sを細胞内から投与しても抑制されないので細胞内代謝系を介するものではない。Mg^<2+>(1.2mM)存在下では、s-EPSCと膜電位との関係は-40mVよりも負の膜電位で強い外向き整流性を示すが、無Mg^<2+>液中では、この整流性は消失して直線関係となる。又、s-EPSCはDL-AP5(100μM)により殆ど抑制されない。このs-EPSCと似た性質を持つ膜電流がアスパラギン酸を投与しても見られ、s-EPSCとアスパラギン酸電流の発生は互いに閉塞する。以上の結果はs-EPSCが新奇なNMDA受容体の活性化により生じる事が示唆する。
以上のようなスライス標本での実験においては、定量的な薬理学的分析が出来ない。今後、胎生17〜19日のラットの脊髄後角からニューロンを単離培養し、このニューロンのNMDAやアスパラギン酸の応答膜電流に対するDL-AP5やMg^<2+>やZn^<2+>の作用の薬理的性質などを定量的に分析する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Yajiri: "A novel slow excitatory postsynaptic cuvent in substantia gelatinosa neurons of the rat spinal cord in vitro" Neuroscience. 76. 673-688 (1997)

  • [文献書誌] E.Kumamoto: "The pharmacology of amirna-acid responses in septal neurons" Progress in Neurobiology. 52. 197-259 (1997)

  • [文献書誌] E.Kumamoto: "Action of furosemide on GABA and glycine curents in rat septal cholinergic neurons in culture" Brain Research. 776. 246-249 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi