研究課題/領域番号 |
09680826
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
深水 昭吉 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (60199172)
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研究分担者 |
堀口 尚 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (30238795)
矢神 健一 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40166476)
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キーワード | アンギオテンシンII / アンギオテンシノーゲン / 高血圧 / トランスジェニックマウス / 1型受容対 / 2型受容対 / アポトーシス / ノックアウトマウス |
研究概要 |
申請者は、アンギオテンシノーゲン遺伝子欠損マウス(つくば低血圧マウス)のコンジェニック化に成功した。しかしこのマウスは、胎児や新生児期に腎臓および肺の形成異常を多発することが明らかとなった。そこで本研究は、血圧調節以外にRA系が臓器発生および形成維持にどのような役割を演じているか、形態学的、病理学的、生化学的、分子生物学的そして実験動物学的な手法を用い、遺伝的背景の明確なアンギオテンシノーゲン遺伝子欠損マウスであるつくば低血圧マウスの胎児期における臓器発生障害、出生後の個体における臓器形成維持障害のメカニズムを詳細に解析検討する他、新たなモデル動物としてのつくば低血圧マウスの形質を明確化することを目的とした。 つくば低血圧マウス間より生じるつくば低血圧マウスの胎児期における腎および肺発生解析:つくば低血圧マウス間より発生するつくば低血圧マウス胎児では、母体由来のRA系生成物の供給もなく、胎児期において腎臓および肺の発生に形態学的異常が生じていることが探索的実験により観察されている。 A-1) 胎児における腎臓の発生異常がどのような経過より起こるものか後腎の発生から胎児期後期の腎臓の発達までを、病理学的・形態学的解析を行い、病態の進展経過を検討した。 A-2) この腎の発生異常はRA系最終産物であるアンギオテンシンII(AII)に起因するものであるか検討するため、浸透圧ポンプによるAII供給を妊娠つくば低血圧マウスへ行い、胎児腎障害の回避状態を経過を追い形態学的に解析した。その結果、胎児腎の障害は回避された。 A-3) 腎の発生異常が低形成もしくは萎縮によってもたらされるものか検討するため、bFGF、EGF、PDGF、TGF-β、IGF等の増殖因子の遺伝子発現状態を分子生物学的および組織学的に検索する予定であったが、今後の課題として残された。また、探索的実験よりこの腎組織障害がアポトーシスによる萎縮の可能性をも疑われたが、検討の結果DANの断片化が生じていることが明らかになった。 B) 胎児における肺の発生異常は、基本的に(A)実験と同様の戦略にて解析検討する予定であったが、今後の課題として残された
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