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1998 年度 実績報告書

強靱性リン酸カルシウムファイバーを複合した多機能型人工骨の合成とバイオメカニクス

研究課題

研究課題/領域番号 09680851
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

春日 敏宏  名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (30233729)

キーワード結晶化ガラス / リン酸カルシウム / ファイバー / ポリ乳酸 / 人工骨 / ヤング率 / 複合材料 / 生体材料
研究概要

昨年度、生体吸収性をもつポリ乳酸重合体(PLLA)と、筆者らの開発した強靭性の生体親和性β-Ca(PO_3)_2ファイバー(CPF)とを複合化する方法を開発した。骨と同等の弾性率、外部からの荷重にも耐えうる靭性を得るためにファイバーの適用は有効であることがわかった。
本年度は、まず、さらに多量のファイバーが導入するためにニーダー混練法を検討した。PILA(分子量約16万)をジクロロメタン中に溶かした後、表面処理したCPF(昨年度報告)を混入・撹拌した混合物をニーダーに入れ、30分間混練した。十分に乾燥後、金型に入れ、これを180℃で1h加熱し、40MPaで15minホットプレスした。この方法によりファイバー量60wt%までの複合化が可能となった。ファイバーは全く破壊せず、その高強度性が確認された。この複合体は、最大応力に達した後、徐々に段階的に破壊するという、ねばり強さを示した。
次に、新しく、CPFを生体親和性の良い水酸アパタイト(HA)のファイバーに変換する方法を見いだした。CPFをCa(OH)_2スラリーに埋没させ、乾燥後、空気中1000℃程度で焼成した後、酸処理することで、HA多結晶ファイバーとなる。この方法によれば、CPFとほぼ同じ形状の長いファイバーを得ることができる。さらに、このファイバーをPLLAと複合化することで高い骨伝導性をもつ複合体を合成できるものと期待される。しかし、HAファイバーは、CPFほど強度は高くなく、ニーダー混練法で作製すると破壊し、ねばり強い複合体を得られないこともわかった。そこで、この場合には昨年度報告した混合法により作製することを検討しており、HAファイバーを用いてもねばり強い材料とできる傾向を見いだしつつあるので引き続き検討する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Ota,et al.: "Novel Preparation Method of Hydroxyapatite Fibers" J.Am.Ceram.Soc.81〔6〕. 1665-1668 (1998)

  • [文献書誌] T.Kasuga,et al.: "New Calcium Phosphate Glass-Ceramics Prepared by Crystallization and Sintering of Glass Pouders" Proceedings of 18th International Congress on Glass. E4. 31-36 (1998)

  • [文献書誌] T.Kasuga,et al.: "Novel Polylactic Acid Composites containing β-Ca(PO_3)_2 Fibers" Proceedings of 11th International Symposium on Ceramics in Medicine. 145-148 (1998)

  • [文献書誌] T.Kasuga,et al.: "Calcium Phosphate Invert Glasses with Sodo and Titania" J.Non-Cryst.Solids. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] T.Kasuga,et al.: "Novel Calcium Phosphate Ceramics Prepared by Powder Sintering and Crystallization of Glasses in the Pyrophosphate Region" J.Mater.Res.13〔12〕. 3357-3360 (1998)

  • [文献書誌] T.Kasuga,et al.: "Preparation of Polylactic Acid Composites containg β-Ca(PO_3)_2 Fibers" J.Mater.Res.14〔2〕(印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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