心拍変動解析法の開発評価に関する研究

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09680868
• 研究機関: 法政大学
• 研究代表者: 八名 和夫 法政大学, 工学部, 教授 (50138244)
• キーワード: 心拍変動 / 信号処理 / 自律神経 / 1 / fゆらぎ / 時系列解析 / 適応信号処理 / 非線形 / シミュレーション

研究概要

心拍変動の時系列信号処理に上り無侵襲的に自律神経系の状態推定を行う方法論について検討し下記の結果を得た。
(1) 多次元自己回帰モデルを応用し心拍・血圧変動の解析を行った。特に非独立なl/fスペクトル特性を持つ外乱が存在する場合の動作特性を詳細に検討し、解析法の適応範囲を明らかにした。(文献1,3)
(2) 瞬時心拍数をRRインターバルから推定する手法をIPFMモデルの復調という立場から比較検討しDCSI法が最適であることを示した。(文献4)
(3) 適応信号処理の手法を用いて、心拍変動から呼吸性及び血圧性成分をキャンセルする手法を提案し、個人差の大きい変動要素を除いた基礎心拍変動の抽出に成功した。(文献5)
(4) 心拍を他の生理量と関連付ける場合に有用なシステム非線形度とその推定法について検討を行った。(文献6)
(5) 瞬時肺容積変化から心拍変動への伝達特性を安定して推定する雑音注入法を開発し、ランダム呼吸法を併用して薬物による種々の自律神経ブロック状態において呼吸性変動の解析を行った。(文献7)
その他、関連する信号解析手法(文献2)、及び関連分野の文献サーベイ(文献8)を行った。

研究成果

• [文献書誌] H.Mizuta I.Takeuchi C.Tsuda & K.Yana: "A Feedback Analysis of Heart Late Fluctuations relateel to Blood Pressure Change" Proc.IEEE 19th International Conference EMB Soc.19. 2184-2186 (1997)
• [文献書誌] Hiroyuki Mino M.Matsumoto K.Yana: "A Method of Estimating Intensty and Impalse Response Functions of Fillered Poisson Processes" IEEE Trans.of Instrumentation and Measurement. Y-146,No5. 1189-1196 (1997)
• [文献書誌] H.Mizuta,I.Takeuchi K.Yana: "A Bivarinte Analysis of Fluctuations in Heart Rate and Blood Pressure" Medical & Biological Engineering& Computing. Vol.35. 512 (1997)
• [文献書誌] 八名和夫: "スペクトル・相関解析とその応用" Bio Medical Engineering(日本ME学会雑誌). Vol.11 No1. 34-37 (1997)
• [文献書誌] K.Yana,H.Mizuta et al.: "Extracting Underlying Genuin Heart Rate Varichility" IEEE Proc.20th Ann.Int.Conf.EMB Soc.Vol.20. 283-285 (1998)
• [文献書誌] 小田博久、猪俣望、八名和夫: "情報量規範に基づくシステム非線形性の検出" 統計数理研究所共同研究リポート. 114. 1-8 (1998)
• [文献書誌] K.Yana,H.Mizuta et al.: "Frontiers of Blood Pressure and Heart Rate Analysis" IOS Press(M.Pi Rienzo et al.eds.), 89-99 (1997)
• [文献書誌] K.Yana: "Yearbook of Medical Infarmation" Schattauer(J.M.Van Bemmel & A.T.McCray eds.), 359-363 (1997)