研究概要 |
本研究は,インド言語哲学における意味表示理論の中の特徴ある学説の一つであるスポータ論の発展過程を解明することを目指している.具体的には,種々の文献中でのスポータに関る理論の枠組を整理し,スポータ論の大成者とみなされているバルトリハリの理論を,その発展過程の中に位置付けることが最終的な目標である.今年度は,当初計画として,Vakyapadiya,Mahabhasyadipika,Mahabhasya,Sphotavada,Sphotanirnaya,Slokavarttika,Sphotasiddhi,Tattvabindu,Vyomavati,Nyayakandali,Nyayamanjari,Yogabhasya,Tattvavaisaradi,Brahmasutrasankarabhasya,Prameyakamaramarttandaのスポータ論関連個所の電子テキスト化を予定していた.これらの文献のうち,Brahmasutrasankarabhasya以外は入力を終了した.また,Nyayakandali他いくつかについては,入力テキストの校正作業も終了している.また,当初の研究計画には含まれていなかった資料として,ミーマーンサー学派のManameyodaya,Nititattvavirbhavaを追加し、入力を終了した.上記今年度の実績によって,次年度に予定している,スポータ論の枠組みの具体的な検討にむけての準備が整ったということができる.
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