研究概要 |
本年度は、二十世紀初頭のフランスにおける、メディア・情報と社会・思想の両分野にわたる哲学的・社会史的分析のための基礎を固めるため、ガブリエル・タルドの思想研究のための試料を広く収集した。今年度においては、タルド、デュルケム、モ-スなどにおける「社会的なもの(le social)」の成立過程を、自然や生さらには技術や芸術との関係において哲学的に分析するための基礎固めをすることができたのが大きな収穫である。その成果の一部は「舟なき航跡としての生」(筑波大学 『言語文化論集』、45号)、及び「否定的原理としての生」(学会「日本メルロ=ポンティ・サークル」第四回大会口頭発表、次年度学会誌掲載予定)、≪Le Bunraku ou l'idiotie du corps≫(ヴァランシエンヌ大学・筑波大学合同学会 Ecriture,France-Japon(投稿済み、校正中)などにおいて発表された。 電子化された資料体(コーパス)の組織的な活用のため、コンピューター、スキャナー、OCRソフト、文書解析ソフト、データベースソフト、DTP ソフトなどを購入し、資料検索の方法、データベース化についての諸技術を習得することができた。その成果は学会ホームページ(http://www.copula.com/merleau)で次年度以降公開予定である。
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