本年度に実施した研究内容を以下に列挙する。 ・生体信号解析プログラムの改造 研究代表者が以前に作成した生体信号解析プログラムを今回の実験で利用できるよう改造した。従来のプログラムでは脳波や眼球運動、瞳孔運動、重心動揺を同時に記録し、分析することができた。今回の改造によって、さらに筋電位も測定、解析ができるようになった。このプログラムはMS-DOS上で動作するが、現在、Windows上で動作するアプリケーションにバ-ジョンアップすることを計画している。既に一部作成に着手し、来年度中には完成する予定である。 ・実験の準備 上記の生体信号解析プログラムを使って、被験者が刺激に対して運動反応をおこなっているときの脳波と眼球運動、筋電位を測定した。データを分析した結果、脳波にかなり商用交流障害等のノイズが混入することが分かった。そこでシールドルームを作成することとした。本実験は来年度におこなうこととした。 ・ウエーブレットによる単一事象関連電位の抽出プログラムの作成 このプログラムは来年度に作成する計画であった。しかし、最近、ウエーブレットを用いた類似の研究が発表されていることもあり、前倒しで開発に着手した。同一の手法による他の研究と異なる点は、マザ-ウエーブレットに事象関連電位の加算平均波形を利用していることである。現在かなり仕上がっているので、計画通り来年度中に完成すると思われる。
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