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1997 年度 実績報告書

単漢字認知と大脳半球機能分化:左半球の役割を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 09710055
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

中川 敦子  名古屋市立大学, 人文社会学部, 講師 (90188889)

キーワード漢字 / 大脳半球機能分化 / 単語認知
研究概要

本研究では“然"をイヌと部分読みし、“自然"をシゼンと読むという特異な漢字の失読を呈した一例(樋口ら,1996)を参考に,単漢字認知における左半球の役割について実験的に検討した.仮説は,訓読みで単独に語として用いられ,原則として単体である(白川,1984)漢字は,一側視野呈示実験において,熟語と同じく右視野(左半球)優位を呈するではないかというものである.
実験計画:呈示視野(左,右)×ターゲット漢字の属性(訓読みで単独に用いられるか,否か)×ターゲット漢字の属性(単体か,否か)の被験者内3要因実験.刺激として,例えば,訓読み,単体ターゲットとして“犬,子",対して音読み優位,非単体ターゲットとして“然,季",音読み優位,単体ターゲットとして“氏,味",対して訓読み,非単体ターゲットとして“紙,未"を用いた.手続き:各試行では,視野中央に注視点が呈示された後,左右の視野にランダムにターゲットが呈示された.ターゲットの半分は漢字の一部を入れ替えた非漢字であり,被験者は実験中視野中央を凝視し,ターゲットが正しい漢字であるか否かの判断をボタン押しによって,できるだけ速くかつ正確に行うよう求められた.
結果:分散分析の結果,単体か否かという漢字属性の効果ならびに2つの漢字属性間の交互作用が正反応時間と正反応数に認められた.また呈示視野の主効果が正反応数に認められ,さらに2つの漢字属性との3要因の交互作用が,正反応時間と正反応数に認められた.以上より,単漢字の左右半球における処理のされ方は,その属性によって異なることが示唆された.

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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