[予備的分析] 福井で発生した女子中学生殺人事件に関して、弁護士が事件関係者に事件当日の状況についてインタビューを行った録音テープを入手し、それを逐語的データベース(カード型データベースソフトを利用)化し、分析をすすめた。その結果、過去の想起を中心とした会話における誘導の有無の鑑定を行う際、「誘導的発話」と「誘導の効果」を区別して分析することが効果的であることが明らかになった。また、誘導的発話を「強要」「直接的誘導」「間接的誘導」に区分する必要も明らかになった。こうした分析基準を設定することによって、聞き手による露骨な誘導的発話があった場合でも実際的な誘導の効果がみられないケース(実質的に誘導の存在しないケース)を容易に発見することが可能になった。 [海外研究者からの意見(助言)聴取] 1997年7月20日にトロント大学で開催された“9th international conference on perception and action"に出席し、ポ-ツマス大学A.P.Costall教授らから本研究について助言を受けた。 [国内研究者・法曹関係者からの意見(助言)聴取] 1997年11月14日に開催された目撃証言研究会で上記福井での事件に関する分析について報告し、弁護士、心理学者から助言をうけた。
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