研究概要 |
本研究は、映像のデジタル化技術を応用した操作説明の新しい分析技術(デジタルビデオプロトコル分析手法)を開発し、さらに、分析技術を具体的な課題(対話的オンラインマニュアルの作成)に適用し、その評価を行うことを目的している。 本年度の研究成果は以下の通りである。 (1)操作説明の映像プロトコル資料の収集とそのデータベース化 これまでの研究において収集した操作説明の映像データを、画像圧縮伸張ボードにより、デジタル化し、操作説明の映像データベース(ビデオコーパス)を作成した。 (2)デジタルビデオプロトコル分析ツールの作成 既存の分析枠組み、分析ツールを検討した結果、これまでに発表されているビデオプロトコル分析手法(ESDA,VESDA)は、映像データベースに対して、時系列を保持したまま、研究者が設定したカテゴリーに映像の内容を分類し、これにタグや注釈を加えて、記録しておくというものであることがわかった。 プロトコル分析をする際、もっとも重要であるのは、どのようなカテゴリーを分析に際して使用するかということである。そこで、本研究において、本年度は、このカテゴリー作成を支援するツールの開発を第1の目標とした。 作成された分析ツールのプロトタイプは、映像データのクリップをボタンとして配置し、これを押すと当該のクリップが再生されるようになっているものである。分析においては、このボタンをKJ法的に利用して、カテゴリーの作成を支援することになる。 分析の一連の流れは、まず、映像データをデジタル化し、分析単位に分割し、例示となる映像データと比較しながら、当該単位のカテゴリーを策定していくといった構成となっている。
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