平成9年12月成立した介護保険法により、ケアマネジメントが制度として位置づけられることになった。このことは高齢者にサービスを提供するにあたり、保健・医療・福祉など分野の異なる専門職が協働・連携してチームでサービスを提供しなければならないことを意味している。チームケアの重要性については、研究者や実践者を問わず、異口同音に言われているが、統計的な手法を用いた実証研究はほとんど行われていい。 したがってこの研究は、多職種チームを効果的に働かせる要因と、その中で社会福祉士の果たすべき役割を明らかにすることを目的としている。 平成9年度は、チームケアに関する先行研究のレビューを行った。高齢者を対象としたケアマネジメントに関する研究は多く行われているが、統計的手法を用いた調査については先行研究が極めて少なく、参考になるものはあまり無かった。しかし、ケアマネジメントに限定せずに主として米国で行われているチーム研究の理論を参考にしてレビューを行い、調査票の作成、予備調査そして郵便留置法による調査を行った。 調査対象は、社団法人日本社会福祉士会の協力を得て、会員5千名に対して全数調査を行った。調査票は3月10日に発送し、3月末日を調査票返送の締め切りとした。 平成10年度は、回収した調査票のデータクリーニング、データ入力、そしてデータの分析を行い、多職種チームを効果的に働かせる要因と、その中で社会福祉士が果たすべき役割について検討する予定である。
|