研究概要 |
本研究は、大学入学資格検定試験(以下「大検」と略記)を利用した者たちのその後の進路を把握することを目的としており、今年度は以下のよう調査研究を実施した。 1,大検予備校におけるヒアリング 実際にヒアリングを実施できた予備校は少なかったが、学校案内の検討をしたり電話によるヒアリングを中心に進めた。大検予備校は1980年代のいわゆる「大検ブーム」の時期にできたが、現在は当時に比べて大検の知名度が上がり、一定層に利用され続けてははいるものの、特殊性が少なくなっていることが窺われた。特に80年代に話題性の高かった「積極的利用者」の減少が推測された。 2,継続的研究協力者へのインタビュー調査 1991年以降に、本研究に協力してくれている大検利用者にインタビュー調査を実施し、大検合格後の進学・就職状況、進学・就職後の生活、今後の見通し等について把握した。すでに就業している者が多いこと、異動による住所不明者が若干いること等によりインタビューは困難であったが、商社に勤務している者、鍼灸治療院を開設した者等から話を聞けた。 3,質問紙調査協力依頼 全国の大検予備校等に調査の協力を依頼しているが、プライバシーに関する問題から拒否されるケースが多く、質問紙調査の実施方法については再検討の必要がある。 4,今後の展開 次年度は、上記の継続調査を行うとともに、実現可能性の低い調査研究について再検討する。具体案としては、1および3についてはフリースクール等も対象に入れること、2についてはインターネット等を利用し、継続的協力者以外の大検合格者を探すこと等である。以上、方法論を再検討した上で研究を遂行する予定である。
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