今年度は教材開発のための以下(1)〜(7)のデータ・資料収集を行った。(1)屋久町及び上屋久町の環境行政関係の文書、(2)屋久島の開発と考古学的遺跡調査に関する資料、(3)屋久町及び上屋久町の小中学校・高校における環境教育の現状に関する資料、(4)屋久島の環境に関する文献、(5)屋久島の写真やビデオ等の画像データ、(6)屋久島の環境関連施設の作成した資料や環境教育プログラム。(7)ゼロエミッション構想関連の資料。また、8月29日〜9月4日において実施された屋久島調査は教材開発の視点や様々な資料が得られ有意義であった。特に屋久島在住の環境保護運動家への聞き取りは意味があった。 また、琵琶湖に関連しても資料収集と実態調査を行った。特に千丈川のホタルを守る会の事務局長の森野氏への聞き取りは学校の環境教育と環境保護のための住民運動との連関を考える上で極めて有意義であった。 同時に、理論的には、概念探究法によって教材を開発するためのキ-コンセプトとなる概念システムの研究を行った。現在のところ、生産・流通・消費・廃棄・還元の循環システムを屋久島と琵琶湖において構想することをキ-コンセプトとして研究を継続している。また、森林と海(湖)との関係、屋久島の森林における閉鎖性の生態系および琵琶湖の湖における閉鎖系の生態系の探究と比較、それぞれにおける固有種の存在なども教材開発のテーマとなる。
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