研究概要 |
平成9年度の研究実績は主につぎの2点である。 1 平成10年2月中旬〜3月上旬にかけて、『全国学校総覧』より無作為抽出した全国の公立小・中・高等学校(定時制高校も含む)および特殊教育諸学校学校の養護教諭3,000名とスクールカウンセラ-導入校182校を対象として、アンケート調査「養護教諭の勤務構造とメンタル・ヘルスに関する調査」を実施した。調査内容は、(1)基本的属性(学校規模、教職経験年数、出身養成課程など)、(2)勤務の客観的構造(複数配置の有無、保健室登校の有無と指導方法、勤務時間、校務分掌など)、(3)勤務の認知的構造(職務負担・職務満足、多忙感、モラール、自己効力感、学校経営における役割と位置づけ、児童・生徒観など)、(4)養護教諭からみた学校組織(組織風土、教職員間の人間関係、教職員との連携、校長のリーダーシップなど)、(5)メンタル・ヘルス(ストレス・バーンアウト尺度)、(6)学校カウンセリングに対する見解(スクール・カウンセラ-との協働、カウンセリング実践に関する意識、スクール・カウンセラ-導入による職務の変化など)、(7)保健室空間の創造とイメージなど、自由記述を含め160項目にわたる。現時点(3/20)での有効回収率は34%である。4月以降、データの分析に取りかかる。 2 F市の調査協力校2校(うち1校は養護教諭の複数配置校)への観察訪問とインタビュー調査を実施した。主として、複数配置のメリット・ディメリットや役割分担、養護教諭の学校経営・学校組織の位置づけの問題、スクール・カウンセラ-導入後あるいは保健主事制度導入後の養護教諭の役割変化に焦点を絞って調査した。
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