戦前日本における小学校長職の地位と役割とを実証的に解明するため、本年度は以下のように研究を展開させた。 まず、小学校長の地位については雑誌「日本之小学教師」に掲載の普通免許状受領者のデータベースに加え、優良小学校長の履歴(プロフィール)のデータベースを作成した。また、府県レベルの校長人事関係の諸規則の整理も行った。なお、戦前の校長職の法的地位に関する大まかな流れについては本年度12月に日本教育制度学会で報告した。 次に、小学校長職の役割については佐賀県内5小学校に現存する明治後期の学校日誌の中から校長の職務遂行にかかわる記述を抽出しこれを分析した。その成果は本年度6月に発行した九州教育学会紀要におさめられている。 なお、昨年度からの継続で、成立期の小学校長職に関わる法社会学的な研究については福岡教育大学紀要に発表しているので参照されたい。
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