研究概要 |
本年度の研究目標は、1)研究課題に関連する文献研究、2)情報処理機材の活用法開発、3)他教育研究機関における研究動向の照会にあった。これらの項目に関する研究成果は次の通りである。 1)文献研究:(1)Cultural Survical Quarterly誌をバックナンバーを含めて一括購入し、主として先住・少数民族間における開発援助問題の事例研究を行った。(2)開発援助計のための人類学的調査方法論に関する文献として、まずAnthropology of Policy (C.Shore & S.Wright, Routledge 1997)およびAnthropology, Development and the Post-Modern Challenge (K.Gardner & D.Lewis, Pluto 1996)等の理論書を参照した。これらから明らかなのは、第一に開発人類学者の役割は、開発援助を巡って展開するさまざまな力関係を読み解き、自らの目標をもってそこに参加することであり、第二にこの意味で開発人類学の調査フィールドは、いわゆるプロジェクト・サイトに限定されず、政策文書や評価報告等を含む一貫した開発援助の政策過程におかれるべきであるという点である。(3)英国海外開発庁のA Guide to Social Analysis for Projects in Developing Countriesや米国国際開発庁のPerformance Monitoring and Evaluation Tipsを参照し、主としてプロジェクト・サイトでの住民参加型評価法を比較検討した。 2)情報処理機材:携帯用コンピュータと電子カメラを購入し、操作方法に習熟した。これらの機材はコピー機の無い場所での文書複写機能、音声情報と画像情報の一括管理が可能の2点で有効であることが確認された。
|