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1997 年度 実績報告書

ヘミングウェイの描く女性性の解読と、彼の男性的イメージ構築に見る同性愛嫌悪の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09710339
研究機関名古屋大学

研究代表者

谷本 千雅子  名古屋大学, 言語文化部, 助教授 (90273200)

キーワードヘミングウェイ / フェミニズム / セクシュアリティ / ジェンダー / (ポスト)コロニアリズム / クイア- / エイジング / エクリチュール・フェミニン
研究概要

○平成9年5月、日本ヘミングウェイ協会全国大会におけるシンポジウム「ヘミングウェイ研究とジェンダー」にパネリストとして参加し、『老人と海』を取り上げて研究発表を行った。発表では、まず、作品の叙情的な文体を女性的エクリチュールのそれとして捉え得ることを、エクリチュール・フェミニンの概念を援用しながら検証した。さらに、作品には主に老人と少年しか登場しない(成人男性が登場しない)ことに注目し、このことと、作品が女性的エクリチュールであるといえることとの関連性を探った。老人や少年が、年齢という生物的理由によって「男性性」を奪われ、女性同様、社会の中心から周縁化された立場に置かれた存在であることを踏まえ、「年齢」のテーマはジェンダーの(あるいはフェニズムの)問題として考えるべきであるという認識に至った。
○上記の研究発表を踏まえ、『老人と海』の舞台がカリブ海であることから、ポストコロニアルの視点を導入してさらに作品を検討した。エイギング、コロニアリズム、ジェンダーという社会的抑圧コードが互いにいかに深く結び付いているかを構造的に解明することを目的とした。この成果は来年度発表予定である。
○ボストンのJFK図書館において『エデンの園』のマニュスクリプトを調査し、約500ページ分をファイルとして保存した。
○セクシュアリティの研究に関しては、ウィラ・キャザ-の作品におけるレズビアニズムの表象の問題を軸に、セクシュアル・アイデンティティの問題を考察した論文を、発表予定(平成10年3月)である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 谷本千雅子: "キャザ-、キャノン、ヒステリーの政治学: My Mortal Fnemyと女の肉体" 中部アメリカ文学. 1(印刷中).

  • [文献書誌] 谷本千雅子他: "松山信直先生古希記念論文集" (発表予定),

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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